Project/Area Number |
09J01726
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 昭宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 超新星 / ガンマ線バースト / X線フラッシュ / 衝撃波 / 粒子加速 / 無衝突プラズマ / 宇宙線 / 古典新星 / 非熱放射 / 元素合成 / 超新星残骸 / 特殊相対論 |
Research Abstract |
昨年度から行っている、プラズマと光子との相互作用による高エネルギー放射の生成に関連して、大質量星を貫くジェットの流体シミュレーションを行った。大質量星の鉄コア付近に注入されたジェットが星表面から飛び出して、星周物質中を伝搬する様子を再現した。ジェットと星周物質との相互作用により、光学的に厚いシェルが形成されることを確認し、シェルの密度や圧力の変化が時刻の冪乗で表されることを見いだした。そこで、断熱的に冷えていくシェルの光球からの黒体放射を時間的に畳み込むことで、シェルからの放射がジェット軸上の観測者からどのように見えるかを計算した。結果として得られた光球放射のスペクトルは、ガンマ線バーストの典型的な放射スペクトルの一部の成分を再現する。また、シェルが黒体放射をしていられる時間は、シェルの密度に強く依存する。シェルの光学的厚みがすぐに1を下回るような場合には、Planck分布に近いスペクトルとなる。 また、より長いタイムスケールでのジェットの伝播を調べるために、さらにシミュレーションを続けた。ジェットは次第に減速し、ジェット中をその根元に向かって伝搬する逆行衝撃波が形成される。Ic型超新星の親星は、水素層及びヘリウム層がはぎ取られた状態で爆発するため、親星が爆発前にその質量の一部を星風として放出していると考えられる。このような環境でのジェットの伝播を考えるため、濃い星周物質と薄い星周物質を仮定した場合の結果をと比較した。星周物質の密度の違いは、順行衝撃波によって加熱された媒質の圧力の時間依存性に反映される。ジェット軸上の観測者から見た、圧力の時間変化を計算し、その時間依存性の違いがガンマ線バーストの残光放射の光度曲線に反映される可能性を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
超相対論的なジェットの数値シミュレーションが成功したのは非常に大きな進歩である。重力崩壊する大質量星からの高エネルギー放射は、様々な観測事実が明らかになって行く一方で、流体シミュレーションを基にしたモデルは少ない。今後、放射輸送計算を組み合わせることで、さらに研究が進展することが見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズマと光子との相互作用による高エネルギー放射の生成に関しては、今後も重力崩壊する大質量性の流体計算と放射輸送の計算を組み合わせて、観測される高エネルギー放射を説明するモデルの構築を行っていく。 ブラソフシミュレーションに関しては、今後より規模の大きい数値計算を行うためにコードの並列化を行う。その上で、大規模計算機を用いた場合の計算速度の向上率などを定量的に評価する。高次精度スキームの開発も今後の課題である。
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