高分子認識を利用した超分子構造の形成と転写システムの構築
Project/Area Number |
09J01792
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田浦 大輔 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | シクロデキストリン / 分子認識 / 超分子構造 / 高分子認識 |
Research Abstract |
生体内では、デオキシリボ核酸(DNA)が、核酸塩基の相補的な分子認識(A-TとG-C)により、巧みに制御された超分子構造(二重らせん)を形成する。このように、分子と分子が選択的に相互作用することは、生命活動を支える上で非常に重要である。これらの点に着目し、本研究では、シクロデキストリン(CD)と高分子鎖(主鎖と側鎖)との選択的な相互作用を利用した超分子構造の制御、及び、転写システムの構築を目指している。 平成22年度では、光や熱などの外部刺激を利用して、γ-CDと選択的に相互作用するシステムの構築を目指し、γ-CD/オリゴエチレングリコール(OEG)誘導体の超分子構造の制御について調査した。 まず、ゲスト分子として、OEGの片末端に刺激応答性分子であるアゾベンゼン(Azo)を修飾した分子(OEG-Azo)を合成した。OEGでは、添加したγ-CDの濃度(<70mM)に依存せず、沈殿は析出しなかった。これは、沈殿生成に十分なγ-CDがOEG鎖を貫通しなかったためであると考えられる。一方、20mM γ-CD/OEG-trans-Azo溶液は、時間経過とともに白濁し、5時間後には、溶液の透過率がゼロになった。この溶液を加熱すると、包接錯体の解離により、溶液は透明に戻った。また、加熱した後の透明な溶液に紫外光を照射し、cis化すると、5時間後も溶液は透明だった。このような溶液の変化は、γ-CDがAzo(transとcis)を選択的に認識することによって引き起こされる現象であると考えられる。さらに、濃度変化NMR測定の結果から算出したγ-CDとの会合定数(K_<trans>とK_<cis>)を比較すると、K_<trans>はK_<cis>よりも約70倍大きいことが分かった。このことからも、時間変化UV/Vis測定における透過率の顕著な違いがγ-CDとAzoとの選択的な相互作用によるものであると説明することができる。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)