Project/Area Number |
09J01886
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
片桐 康 北海道大学, 大学院・理学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 天然物合成 / 海産天然物 / ポリエーテル / 全合成 / プロロセンチン |
Research Abstract |
環状エーテル構造を含む海産天然物は抗癌活性など有益な生物活性を示すものが多く、医薬のリード候補として期待される。一方、一般にこれらは希少であり立体構造も未解明なものが多く、更なる生物活性解明が停滞している。そこで、この物質供給と立体化学解明の課題を全合成化学的手法で解決する目的で研究に着手した。今年度の本研究課題では、殺癌細胞活性を持つプロロセンチン(渦鞭毛藻由来)の天然型絶対配置の効率的な合成経路の確立と全合成的供給を具体目的とした。プロロセンチンは平成20年度までに当初の報告構造を全合成したが、その時B環部の水酸基の位置が異なっていることを明らかにした。そのため、平成21年度にはこの改訂B環部構造の合成法を開拓し、プロロセンチンの最初の全合成を達成した。このものは天然物とのNMRデータが一致したため、全体の相対配置を決定することが出来たが、旋光度データが逆であったため、合成品は天然物の鏡像異性体であったものの、天然物の絶対配置を決定できた。平成22・23年度は天然物の絶対配置が判明したため、天然型プロロセンチンのより効率的で実用的な合成経路の確立を目指した全合成研究を行った。その結果、アルドール反応を用いて、B環部の合成上で問題となっていた15位及び17位の立体選択性の問題等を解決し、B環部の新たな合成法を確立した。また、これまでに確立されている分子内2重共役付加でCD環スピロアセタールを構築し、鈴木カップリング等を鍵反応とした天然型プロロセンチンのより効率的な全合成を達成した。天然物の量的供給が可能になったため、今後は、合成品・中間体等を用いた生物活性評価によって、活性発現の構造要因が明らかにされると期待される。
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