Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究の目的を,再突入時の高温環境を模擬できるアーク加熱風洞を用いてアブレータ内部現象の定量的な調査を進めるとともに,軽量で耐熱性に優れるアブレータ材料とその形状モデルの指針を見出すことに設定し,本年度における研究を実施した.これまでの成果として,九州大学20kWアーク加熱風洞の加熱部における幅射熱輸送の役割について数値解析を用いて定量的に明らかにした.さらに,JAXA 750kWアーク加熱風洞や,NASA20 MW Aerodynamic Heating Facility,NASA60 MW Interaction Heating Facilityなど,多様な大型アーク加熱風洞に対して,加熱部における乱流・幅射熱輸送の挙動を数値的に調査し,その挙動を明らかにする成果を上げた.ただし,本解析モデルを用いた解析結果は,実験直に比べてアーク電圧を過少予測する傾向にあることがわかった.その理由のひとつとして,電極近傍におけるシースを考慮していなかったことが挙げられる.したがって,アーク加熱風洞の電極近傍におけるシースモデルを提案し,電圧降下及びアーク電圧の評価を行った. また,軽量アブレータが20kW及び750kWアーク加熱気流にさらされる条件下において,内部の熱分解ガス流動を考慮した内部熱応答解析モデルおよび周囲の高温気体との連成解析モデルの構築を行い,アブレータ熱応答解析モデルの高精度化を行った.解析結果と実験結果は良好な一致を示し,より高精度なアブレータ熱応答解析コードが開発された. 本研究を通して開発されたアーク加熱気流解析コード及びアブレータ熱応答解析コードによって,多様な風洞気流の諸量分布を提供することや,アブレータ内部の現象を定量的に調査することが可能になった.したがって,アーク加熱風洞を用いた様々な耐熱材料試験や開発を進める上で,これらは有効なツールになると考えられる.
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