48Caを用いた二重ベータ崩壊のためのCANDLES検出器の低バックグラウンド化
Project/Area Number |
09J01923
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 豪 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 二重ベータ崩壊 / マヨラナ粒子 / CANDLES / 低バックグラウンド / 神岡地下実験 |
Research Abstract |
スーパーカミオカンデなどによる研究によりニュートリノ振動が確認され、ニュートリノが質量をもつことが分かった。我々は、核種48Caのニュートリノレス二重ベータ崩壊を観測することで、このニュートリノ質量を調べると共に、ニュートリノのマヨラナ性を実証しようとしている。またこの現象は、レプトン数保存を破るものであり、レプトジェネシスの根拠となりうるため、現在の物質優勢の宇宙を創りだすシナリオにおいても重要な意義を持つ。我々が現在神岡地下実験施設において、建設しているCANDLES III検出器は、10cm角のCaF2結晶96個からのシンチレーション光を62個の光電子増倍管(13インチ&17インチ)で検出する検出器である。また、結晶の周りには液体シンチレーターと水の層があり、バックグラウンド低減を重視した検出器になっている。48Caは二重ベータ崩壊核の中で最大のQ値4.3MeVを持ち、バックグラウンドの排除において有利である。非常に稀な現象であるニュートリノレス二重ベータ崩壊において、低バックグラウンド測定は重要な要素である。 当初の研究実施計画では、1年程度で検出器が完成し、すでに長期測定に入っている予定であったが、この計画からは遅れが生じている。一番の原因は、地下実験施設という環境下で危険物を取り扱う実験であることもあり、当初予定していたものより厳重な安全管理が必要になったためである。光電子増倍管が浮き上がらないような対策、万一光電子増倍管が壊れた時の爆縮の影響を和らげる窒素バルーンの設置、液体シンチレーターが外に漏れだすことのないような対処など、当初予定にはなかった対策を施す必要があった。しかし、紆余曲折ありながらも検出器はほぼ完成し、近く測定を開始する予定である。検出器の建設と並行して、バックグラウンドのシミュレーションも進めている。地下実験では、宇宙線の影響が低減されるため、検出器に含まれる放射性不純物や地下岩盤からの中性子などが重要な要素となりうる。既に岩からの中性子スペクトルを計算しており、Geant4を用いて実際の測定でのバックグラウンド評価を行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)