アセットマネジメントにおける事後評価および継続的改善方法論の構築
Project/Area Number |
09J01968
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
土木計画学・交通工学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小濱 健吾 Kyoto University, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | アセットマネジメント / ベンチマーキング / 事後評価論 / マルコフ劣化ハザードモデル / 異質性 |
Research Abstract |
平成21年度の研究として,土木施設間の劣化速度の多様性を異質性パラメータを用いて表現する混合マルコフ劣化モデルを提案した.また,標準的な劣化過程を表現するベンチマーキング劣化曲線の作成と,個別土木施設における劣化速度を相対評価できるような方法論を併せて提案した.研究成果として,土木施設の劣化過程が,同一の構造・仕様特性や使用条件の下であっても,施工時の品質や観測不可能な要因に起因して多様に異なることに着目し,ハザード率の異質性を考慮した混合マルコフ劣化モデルを定式化することができた.また,ハザード率の確率分布をガンマ分布に特定化し,個別要素の劣化過程を表すマルコフ推移確率を推定する方法論を提案した.さらに,標準的な劣化過程を表すベンチマーキング劣化曲線と,それに基づいて個別要素の劣化速度を相対評価する方法論を提案した.また,実橋の目視検査データに基づいて混合マルコフ劣化モデルを推定し,個別要素の劣化速度の相対評価を試みた.以上の実証分析を通じて,本研究で提案した混合マルコフ劣化モデルの有効性は検証しえた.本モデルの実用性を向上させるうえで,以下のような課題が今後に残されている.第1に,本研究では異質性パラメータが標準ハザード率を期待値とするガンマ分布に従うと仮定したが,異質性パラメータの確率分布に関する特定化誤差に関する検討が必要である.第2に,新材料や新工法の導入など,技術革新の成果が,土木施設の長寿命化に貢献しえたかどうかを評価する方法論を開発する必要がある.本研究成果において,技術革新を考慮した評価モデルのプロトタイプを提案することができた.第3に,具体的な土木施設のアセットマネジメントにおいて,本研究で提案した劣化速度の個別評価の結果を用いて,土木施設の維持補修計画を更新・修正するための方法論を開発することが必要である.第3の問題に関しては,本年度の研究で取り組む予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)