ウイルタ語の類型的記述にもとづくサハリンの言語接触に関する研究
Project/Area Number | 09J02110 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
山田 祥子 北海道大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost : ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010 : ¥700,000 (Direct Cost : ¥700,000)
Fiscal Year 2009 : ¥700,000 (Direct Cost : ¥700,000)
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Keywords | ウイルタ / サハリン / 記述言語学 / 危機言語 / 言語接触 |
Research Abstract |
本研究は、ツングース諸語の一つでロシア・サハリン州の先住民族ウイルタの言語であるウイルタ語の特徴を調べることにより、この地域における言語接触の影響を明らかにすることを目的とする。2010年度は、日本学術振興会・平成21年度第2回優秀若手研究者海外派遣事業(特別研究員)のもと長期的な現地調査によるウイルタ語の記録とテキストコーパス作成に重点を置き、おもに以下5点を実施した。1.サハリン州ノグリキ地区に居住するウイルタ語北方言話者を対象として言語調査を行った。長期的に現地滞在したことにより、文化・社会的情報を視野に入れた多面的な言語調査が実現した。その成果の一部は、『北方人文研究』4で論文とした掲載されている。2.サハリン州ポロナイスク市に居住するウイルタ語南方言話者を対象として言語調査を行った。上述の北方言調査と比べて短時間であったが、新たなインフォーマントとの協力関係を築くことができたことは今後の研究展開に向けて大きな前進であった。3.これまでの調査および先行研究から集めたデータを総合し、グロス付テキストコーパス作成を進めた。その成果の一部は、『北海道民族学』7、『北方言語研究』1で資料として公開した。4.北海道立北方民族博物館に収蔵されるウイルタの民具に対応する語彙と関連する文化的情報をまとめ、『北海道立北方民族博物館研究紀要』20で資料として公開した。5.サハリン州各地の郷土博物館で研究交流・資料調査を実施し、ウイルタの民族誌的・歴史的情報を幅広く収集した。以上5点に述べた実績をとおして、ウイルタ語北方言とエヴェンキ語との類型的比較が今後サハリンにおける言語接触を考察するうえで主要なテーマとなる見通しを明らかにした。今後は新たな現地調査およびこれまでの調査結果の公開を継続的に行いながら、ウイルタ語北方言の文法記述に焦点を当てて研究を続けてゆく予定である。
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Report
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Research Products
(10results)