半導体ナノ構造の励起子多体効果:局在性と非局在性の競合
Project/Area Number |
09J02132
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平野 大輔 京都大学, 化学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 励起子 / 励起子分子 / 励起子ポラリトン / 窒化物半導体 / ワイドギャップ半導体 / 高密度励起現象 |
Research Abstract |
本研究ではワイドギャップ半導体ナノ構造の励起子及び高密度励起状態を明らかにし、バルク状態にない新しい高密度凝縮状態を探索することを目的とした。GaN/AIGaN多重量子井戸構造の障壁層と井戸層の膜厚をナノサイズで系統的に制御した試料の発光特性を研究した。励起子分子を構成する電子と正孔の空間分布を量子閉じ込めシュタルク効果で分離することで、励起子分子の束縛エネルギーを制御できることを示した。励起子束縛エネルギーの評価により励起子分子の空間的な広がりを明らかにした。さらに、新しい電気デバイス・光学デバイス材料として期待され、ナノスケール周期構造を持つワイドギャップ半導体4H-SiCの光学的性質を解明した。間接遷移型半導体である4H-SiCは発光効率が低いため発光ダイナミクスの詳細な解析は困難だったが、繰り返し周波数が高い波長可変レーザーにより、高密度光励起状態の発光ダイナミクスの詳細な研究が可能になった。高密度電子正孔状態では電子正孔液的、電子正孔プラズマ、励起子が平衡相を形成することを実験的に示した。複雑な発光スペクトルを見せるため解析が困難だった臨界温度付近の平衡相の成分が、発光の立ち上がり時間によって決定できることを明らかにし、平衡相の密度と温度依存性を記述する相図を決定した。ワイドギャップ半導体で強く働く電子正孔間の相互作用が、間接遷移型半導体では遮蔽されるため、バンドギャップリノーマリゼーションが小さいことが分かった。高密度励起状態の光学特性が明らかになったことで、ワイドギャップ半導体ナノ構造の励起子多体効果と電子正孔状態の基礎的な知見を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)