Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
有限群の指標に対して定義されるn次Frobenius-Schur(以下FS)indicatorの理論は,LinchenkoとMontgomeryによって半単純ホップ代数の指標に対して拡張された。さらに,NgとSchauenburgにより,FS indicatorは,半単純ホップ代数の表現のなすモノイダル圏の不変量であることも分かっている。 平成22年度は,主に有限次元半単純ホップ代数の正則表現のFS indicatorおよびそれを一般化する量を中心として,モノイダル圏に関する研究を行った。 1.昨年度に定義した,今日ではフュージョン圏と呼ばれている,半単純ホップ代数に由来するとは限らないより広いクラスのモノイダル圏の不変量に関する研究を進め,特に丹原・山上圏と呼ばれるクラスのフュージョン圏に対する不変量の明示公式を得た。これにより,不変量と有限アーベル群上のフーリエ変換との関係が見出された。また,公式を用いることで,有限次元半単純ホップ代数であって,その対合射のトレースが0になるようなものは存在するかという問題に対して,肯定的な答えを与えることが出来た。 2.モノイダル圏に関する基礎的な研究として,ある種の条件化で,線形モノイダル関手の間のモノイダル変換たちは一次独立であることを示した。これにより,特にfinite tensor categoryと呼ばれるクラスの圏のピボタル構造の数はたかだか有限であることなどが示せた。 3.最近Kashina,Montgomery,Ngによって導入された,有限次元ホップ代数の不変量に関して,その基本性質などを研究した。結果の一部は,研究集会『ホップ代数と量子群』,および日本数学会年会において講演し,また博士論文にもまとめた。
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