核子-核子散乱のアイソスピン非対称性を用いた原子核表面構造の研究
Project/Area Number |
09J02229
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 太樹 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 原子核 / 反応断面積 / ハロー / スキン / 密度分布 / アイソスピン / 陽子標的 / 核半径 |
Research Abstract |
近年の不安定核ビーム生成・分離技術の発展と効率の良い実験手法の開発によって、今までの原子核物理学の根底を覆すような核構造が次々と発見され注目されている。特に軽い陽子・中性子過剰核での「ハロー」・「スキン」構造などの新たな形態や「魔法数喪失・新魔法数発現」などの新たな殻構造に関す売る研究は盛んに行われ、その詳細が明らかになりつつある。これらの発見において反応断面積測定による原子核半径の異常な増大を観測したことが大きく貢献している。なぜなら、原子核の「半径」あるは、空間の広がりを表す「密度分布」は原子核の波動関数と直結した基本的な物理量であり、原子核の特徴をよく反映しているためである。 我々は中間エネルギー領域の反応断面積に注目している。この領域の反応断面積は原子核表面の密度分布に感度が高く、これらの構造の研究に適している。さらに、この原子核表面構造の解明において、原子核表面での陽子と中性子の密度分布を独立に決定することが強く求められている。そこで、我々はこのエネルギー領域の核子-核子相互作用断面積には陽子-中性子の全散乱断面積は陽子-陽子のそれに比べ、非常に大きいというアイソスピン非対称性を持っているという点に着目した。グラウバー理論によると、この核子-核子散乱のアイソスピン非対称性を利用することで、陽子-原子核の反応断面積から陽子と中性子の密度分布を独立に導出できるはずである。このことを検証するために、中性子ハロー核^<11>Be及び陽子ハロー核^8Bと陽子との反応断面積を測定した。この実験結果は、^<11>Be(^8B)のハローの成分が中性子(陽子)であることを示しており、これは他の実験結果と矛盾しない。したがって、本研究の手法が核表面の陽子と中性子の密度分布を独立に決定でき、原子核表面構造の解明に有効であることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)