妊娠ラットの甲状腺ホルモン阻害による次世代認知行動障害の研究
Project/Area Number |
09J02289
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 征史 Hokkaido University, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 空間作業記憶 / 遅延場所あわせ課題 / ラット |
Research Abstract |
本研究の目的は、中枢神経系(central nervous system、以下CNS)発達期における甲状腺ホルモン(thyroid hormone、以下TH)阻害が、成長後にどのような認知行動障害を引き起こすのかを動物実験から明らかにすることである。本年度は、CNS発達期のTH阻害が空間作業記憶能力に与える影響について検討するため、遅延場所あわせ課題を実施した。妊娠ラット16匹を購入し、統制群とTH阻害群に分け(n=8)、TH阻害群にはTH阻害剤メチマゾールを妊娠15日目から産後21日目まで飲料水に溶かして投与した。両群から仔ラットを雌雄8匹ずつ、計32匹選び、被験体として用いた。生後48日目からモリス水迷路課題を行ない、その終了後に、水迷路を用いた遅延場所あわせ課題を行なった。遅延場所合わせ課題は、水迷路内のゴール設置領域を学習する強制試行と、ゴールの位置情報を保持できているかを確認する選択試行から構成された。両試行の試行間間隔は60秒であり、ゴールの設置領域は擬似ランダムに変更した。選択試行時に強制試行と同じゴール設置領域を選択することを正選択とし、直近10セッション中9セッション正選択をすることで課題を学習したものとみなした。実験の結果、統制群12匹、TH阻害群2匹が学習基準に到達した。また、統計的検定により、TH阻害群の学習基準到達個体数は、統制群よりも有意に少ないことが明らかとなった。この結果は、TH阻害群がゴールの位置情報を60秒間保持できなかったことを示すものであり、CNS発達期のTH阻害は、空間作業記憶能力に影響する可能性が高いと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)