Project/Area Number |
09J02408
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安岡 有理 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ネッタイツメガエル / ナメクジウオ / イソギンチャク / ChIP-seq / RNA-seq / Lim1/Lhx1 / Otx2 / Goosecoid / アフリカツメガエル / Lhx1 / ニシツメガエル / chordin / ChIP |
Research Abstract |
1)エンハンサー比較解析ナメクジウオ(Branchiostoma belcheri)のgscの5'側領域のエンハンサー活性を、Xenopus胚を用いたトランスジェニックレポーター解析で調べた結果、レポーター遺伝子がナメクジウオ様の発現を示したことから、頭部オーガナイザーの進化におけるgscエンハンサーの進化が明らかになった。 2)イソギンチャク胚でのLhx1過剰発現実験解析イソギンチャク(Nematostella vectensis)胚へのmRNA顕微注入実験を行った結果、蛍光タンパク質恥nusを融合したNematostella Lhx1強活性化型コンストラクト(共役因子Ldb・Ssbpとの融合コンストラクト)を発現させた胚で二次軸誘導が観察された。 3)Gscおよびヒストン修飾のChIP-seq解析および遺伝子過剰発現胚のRNA-seq解析 (i)ネッタイツメガエル原腸胚と、抗Gsc抗体、抗ヒストンH3K4me1抗体、抗ヒストンH3K27ac抗体を用いてChIP-seq解析を行った。その結果、GscとOtx2との協調的な遺伝子抑制機構や、Lhx1,Otx2,Gscの結合するシス制御領域のエピジェネティックな状態が明らかになった。(ii)ネッタイツメガエル胚にOtx2とTle1を帯域に過剰発現させたものを原腸胚で回収し、RNA-seq解析を行った。さらに、頭部オーガナイザーミックス(Lhx1,Otx2,Gsc,Ldb1,Ssbp3,Tle1)を背側もしくは腹側の帯域に発現させ、発現させた側を胚全体の約三分の一切り取り、RNA-seq解析を行った。加えて、原腸胚の帯域を外科的に切り取り、RNA-seqを行うことで、帯域に発現する遺伝子の網羅的同定を試みた。これらの結果から、原腸胚帯域における遺伝子発現制御機構がゲノムワイドに解析可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原腸胚オーガナイザーの進化について、ナメクジウオのエンハンサー解析や、イソギンチャク胚におけるLhx1の機能解析から一定の成果が得られた。一方、ChIP-seq解析によるLhx1,Otx2,Gscの標的遺伝子の網羅的解析では、Xenopus胚における遺伝子制御ネットワークの解析としては大きな進展が得られたものの、進化的な解析までは至らず、今後に課題を残す形となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策および課題は、Xenopus以外の動物種での実験系を確立することである。たとえば、これまでXenopus胚で解析していたナメクジウオのエンハンサーを、ナメクジウオ胚への顕微注入実験によって検討することや、Lhx1やOtxなどの遺伝子の機能をイソギンチャクやナメクジウオなど本来の動物種で検討することが必要になる。さらに、ChIPseq解析を行うためには原腸胚を大量に確保する必要があり、クロマチン調整の条件検討も必要となる。すでに作製済みの抗イソギンチャクLhx1抗体に加え、その他の遺伝子の特異抗体の作製も必要である。まずは、抗TLE抗体や、抗ヒストン修飾抗体など、汎用性の高いものから順に結果を集めることから始め、その後作製した特異抗体でChIP-seq解析を行うことでさらなる進展が期待できる。
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