Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
近年,火山噴出物の分析的研究が進められた結果,"CO_2フラクシング"と呼ばれる,マグマシステムの内部を深部由来のCO_2ガスが大規模に流れる現象が起きている可能性が提案されている.これを示唆する分析データは,全地球の火山で報告されていることから,CO_2フラクシングは地球上で一般的に起こる現象と考えられる.この現象は火山噴火機構を理解するうえではもちろん,大気の化学進化,地球表層の環境変動,マントルの脱ガス速度などとも密接に関係しているので,これらを定量化するには,CO_2フラクシングの詳細なメカニズムを解明する必要がある.しかし,そのような研究は行われてこなかった. 本年度はこれを解明するため,実施計画に従い,2つの研究を完成させた.一つは,昨年度より開始していた,CO_2フラクシングの数値計算実験である.本年度は方程式系の一部を是正し,モデルをビショップタフデータに適用することで,流紋岩マグマ中におけるCO_2輸送機構として,ストークス流がありうることを示した.この研究を国際誌Earth and Planetary Science Lettersに投稿し,微修正の要請で査読から返却され,現在修正中である.もう一つは,CO_2フラクシングに伴う揮発性成分交換に関する高温高圧実験である.この実験では,CO_2とH_2Oの拡散速度差に起因するマグマの脱水作用が見出された.また,多成分系では気泡のガス組成によっては気泡が溶解する場合もあることを示した.以上を方程式で記述してChemical Geologyに投稿し,本年度受理された.
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