Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2012: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Research Abstract |
本研究は,監査人の保守性と監査人交代について理論的・実証的分析を試みたものである。年度初めに提出した研究計画通り,本年度においては,前年度に引き続き,会計監査人(以下,監査人。公認会計士,個人・共同事務所,監査法人を含む)の交代を行った企業について,監査人の保守性(auditor conservatism)という観点から分析を行った。 具体的には,第一に,前年度において手掛けた理論研究をより精緻なものとし,監査人の交代が監査人の保守性が表れる契機の1つとなる可能性があるという理論仮説を提示した。第二に,上記の理論研究から発展して,監査人の保守性を財務報告数値の保守性および監査意見表明時の保守的判断の2側面から捉えた上で実証分析を行った。裁量的会計発生高および「継続企業の前提」に関する追記の付された監査意見を用いた実証分析の結果,2側面のいずれについても,監査人交代後において,後任監査人による監査人の保守性がみられる可能性を示唆する証拠が得られた。またそれらの結果を踏まえて,交代後の監査人の保守性について大手監査法人とその他の監査人とでは相違が存在しており,ひいては監査人としての行動パターンが異なる可能性があるということについても指摘した。 本研究は,監査人の交代に関する実証研究の蓄積,監査人の交代に関する制度設計,および監査人の保守性を包摂する監査人のビヘイビアに関する研究の積み上げに対して一定の貢献を果たしていると思われる。
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