副作用のない新規治療と診断のための腫瘍ターゲティング金ナノロッドの創製
Project/Area Number |
09J02691
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秋山 泰之 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 金ナノロッド / 体内動態 / フォトサーマル治療 / 積分球 / アクティブターゲティング / EPR効果 / ポリエチレングリコール |
Research Abstract |
生体浸透性の高い近赤外光を吸収する金ナノロッドは光を熱に変換するフォトサーマル効果を持つため、腫瘍に集積させることができれば、がん治療や診断への応用が可能となる。金ナノロッドを用いたがん治療を達成するためには、金ナノロッドを腫瘍へ多く集積させることも必要であるが、凝集することによって近赤外域の吸収が減少してしまうため、吸収を維持したまま集積させることも重要である。これまで金ナノロッド表面にシリカ層を形成させることで、臓器に蓄積しても凝集による吸光への影響をほとんど示さず、高い吸光度を保つ金ナノロッドを開発してきた。しかし、このシリカコート金ナノロッドの多くが肝臓および脾臓に蓄積してしまうため、腫瘍へのフォトサーマル治療に応用することは困難であった。そこで本年度は、腫瘍への送達を達成するためにシリカ層上にPEG(ポリエチレングリコール)修飾を行い、EPR効果による腫瘍への集積を目指した。シリカ層上へのPEG修飾は、マレイミド末端のPEGシランカップリング剤と、チオール末端の4arm-PEG、末端がマレイミド基とメトキシル基のPEGを順々に反応させることで、高密度なPEG修飾を行った。その結果、腫瘍への集積度が劇的に向上し、集積した金ナノロッドの吸収スペクトルは大きな変化を示さなかった。シリカ層上にPEG修飾することで、貧食細胞への取り込みを回避することができ、高い血中滞留性を獲得することによって腫瘍に金ナノロッドが集積したと思われる。また、吸収スペクトルに大きな変化がなかったことから、シリカコートすることで凝集しても金ナノロッド表面が近接できず、表面プラズモンに影響を与えることなく腫瘍に集積したと推察される。この結果は、金ナノロッドを用いた治療をこれまでと比較して効果的に行えることを示唆しており、ヒトへの応用・臨床に向け一歩前進することができたと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)