Project/Area Number |
09J02701
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
門口 実代 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 日本民俗学 / 民俗資料 / 婚礼用具 / 人生儀礼 / 婚姻 / イエ / 絵馬 / 博物館学 / 民具 / 震災 |
Research Abstract |
本年度は、婚礼用具を通してモノに投影される家の歴史や社会関係、および人とモノとの相互関係性について考察を深めることを目的に研究を実施した。ただし、7月1日より三重県生活・文化部新博物館整備推進室に民俗学担当の学芸員として就職し、6月30日をもって貴会を退会したため、実質的な研究期間は3ヶ月間であったが、着実に研究を進めることができた。 具体的に行ったのは以下の4点である。まず1点目は、新潟県の旧家における婚礼用具の研究であり、補充調査を行うとともに修士論文の内容をまとめなおし、『日本民俗学』に投稿するための執筆作業を進めた。2点目は、山形県の村山地方にみられるムカサリ絵馬(未婚の死者供養のために婚礼の様子を描いて奉納する絵馬)の研究であり、東根市の龍泉寺のムカサリ絵馬について『村山民俗』に報告したことに加え、今秋に開催される「ムカサリ絵馬」展の図録にもムカサリ絵馬の絵師に焦点をあてた論文を掲載予定である。3点目は、海女・海士で知られる千葉県南房総市白浜町における調査研究であり、複合的な生業形態が当地の婚姻儀礼と婚姻形態にいかに影響を及ぼしているのかという点を抽出し、報告を執筆中である。また、白浜町における婚礼用具はきわめて個人的な色彩を帯びたものであり、家との関係性のなかにとらえられる新潟の旧家の事例と対照的であることから、より大きな枠組みのなかで婚礼用具を論じる可能性が見通される。4点目は、婚姻特集号として組まれた『歴史読本』の「各地の変わった風習」に、調査地である会津地方の事例を含めて報告した。 以上、本年度は、昨年度までの研究を展開して成果を積極的に発表するとともに、研究の新たな可能性も見いだすことができた点において、おおいに成果があったといえる。近年中に提出を予定している博士論文についても、その構成と内容について考えをかためつつあり、今後の布石となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)