砂防ソリューション提案機能を実装した汎用土石流シミュレータ開発
Project/Area Number |
09J02760
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
森林科学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中谷 加奈 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 砂防 / 土石流シミュレーション / 砂防ソリューション / 汎用 / 砂防構造物 / 機能評価 / 透過型 / 提案機能 |
Research Abstract |
これまで経験的に決定されてきた砂防堰堤の種類・形状・設置位置について、土石流数値シミュレーションを実施して、結果に基づいて最適解を探査する手法を開発してきた。この手法では、計算や砂防の専門家でなくても取扱いの出来るようになっており、砂防分野の技術開発におけるブレークスルーともいえるものである。本年度は、近年土石流対策として整備が進められてきている透過型砂防堰堤について、その形状・設置位置の最適解を探査する手法を提案した。透過型砂防堰堤の形状としては、構造物の上にいくほど鋼管間隔の狭い構造を持つものが、より土砂制御効果が大きい。鋼管間隔ズは、閉塞を期待する大粒径のサイズと同じである場合がより効果的であるが、大粒径の1.5倍程度とした場合でも、高い土砂濃度を維持して堰堤直上まで土石流が流下する場合には十分効果が示される。初期河床材料の有無は、透過型砂防堰堤の効果にも影響する。初期河床材料が存在しない、例えば床止めの設置やアーマーコートが形成されて渓床からの土砂移動が起こらない場合には、渓床勾配が比較的緩く堰堤を設置した際に大きな貯砂量を見込める位置に設置すると、下流への土砂流出・河床変動が防がれる。しかし、渓床からの土砂移動が起こりやすい場合には、上流に堰堤を設置しても、堰堤下流での再侵食が起こるために下流の保全対象領域への土砂抑制効果が十分でない。 また、砂防分野で新しい技術として提案・開発が始まりつつある、不透過型と透過型の砂防堰堤の両方の利点を併せ持ち、平時は水を通過させるが大出水時には土砂流出を抑制する効果が期待される「シャッター付砂防堰堤」についても、その運用手法についての検討を行い、その合理性を示した。更には、既存の災害事例や砂防構造物の設置事例についての数値シミュレーションを実施することによって、手法の妥当性の検証や構造物の機能評価を併せて行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)