Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
制振装置に磁性流体を応用する研究の一環として,本年度は主に理論解析を行った。従来の理論解析では前年度に得られた結果が説明不可能であったが,本年度実施の,横方向磁界勾配の影響を考慮した磁性流体スロッシングに関する理論解析により,当制振装置の動作特性をより明確なものにした。本年度の成果により磁性流体に磁界を印加した時のスロッシング固有振動数変化を定量的に評価することが可能となった。これは当制振装置だけでなく磁性流体そのものの特性解明に大きく寄与するものである。 また,固有振動数変化を定量的に評価することにより,本研究で用いた磁界範囲内ではスロッシング中の磁性流体の磁化率は一定と見なせることが判明した。逆に,静止中の磁性流体では磁化率は磁界に従って変化することが従来から知られている。このことは,磁性流体のスロッシングが生じる場面において必要不可欠な知見であると考えられる。 制振装置の実現性を高める手法として,これまで用いてきた水槽容器ではなく,U字管と磁性流体を用いた制振装置を提案し製作した。U字管型制振装置は20年前から存在するが磁性流体を用いたものは無い。既に,正弦波的に変化する磁界を印加することで制振効果を高められることが実験的に判明している。水槽容器を用いた場合では磁性流体のコストがネックであったが,U字管を用いることで一部を安価な水に置換できるため,磁性流体を用いた制振装置の実現性を大きく高めるものとして期待される。実験で得られた結果は来年度に学会で発表することを予定している。
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