「Continuing Bonds」が遺族の適応過程に及ぼす影響についての研究
Project/Area Number |
09J03098
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Clinical psychology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中里 和弘 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 死別 / 遺族 / Continuing Bonds / 意味の再構成 |
Research Abstract |
重要な他者との死別に伴う「Continuing Bonds(故人との絆の継続:以下CBと略)」は、遺族カウンセリングや緩和ケアへの応用可能性が指摘され、遺族の適応過程に及ぼすCBの影響を解明することが求められる。そこで、研究1(質問紙調査)では、肯定的側面(時間的統合性)を含め、CBが遺族の適応に及ぼす影響について検討を行った。回帰分析、パス解析の結果から、1)悲嘆は精神的健康だけでなく、時間的統合性にも負の影響を及ぼす可能性があること、2)遺族が故人と絆を継続することのみを持って、不適応な指標になるとは言い切れないこと、3)遺族が自己の人生にポジティブな評価を行うには、悲嘆の軽減だけでなく、遺族が故人との絆を保つことや故人の死に対して意味の再構成を行えていることも関連することが示唆された。続く研究2では、CBの影響を時系列的に検討するため、インタビュー調査を行った。その結果、死別後、間もない時期において、故人を心理的存在として認めること、死別に対する肯定的な意味づけを行うことが、遺族の悲嘆を和らげるコーピングとして機能していたことが示唆された。そして時間が経過し、遺族の意識が日常生活に戻ることで、CBは無意識下に定位、故人を思い出させる刺激や外的ストレスによって一時的に意識に上り、「故人との絆」を感じることが肯定的感情を生じさせると考えられた。この場合の「故人との絆の継続」は意識化に否定的に固着することなく、柔軟に「無意識→意識→無意識」を介在するものプロセスが認められた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)