Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
現在,鈴木-宮浦カップリング反応は医薬品や機能性物質の合成において重要な地位を占めているが,主にパラジウムやニッケルなどの希少金属が触媒として用いられている.本研究課題では,従来用いられているパラジウムなどの希少金属ではなく,普遍金属である鉄を触媒として用いた鈴木-宮浦カップリング反応の開発研究を行った.本年7月には,当研究室で合成したオルト-フェニレンジホスフィン-鉄錯体を触媒として用いることで,ハロゲン化アルキルとアリールボロン酸エステルとの鉄触媒鈴木-宮浦カップリング反応が効率的に進行することを学術論文として報告している.また,ハロゲン化アルキルとアルケニルボロン酸エステルとの鉄触媒鈴木-宮浦カップリング反応もこれまでに見いだしており,現在学術論文の作成中である.これらの反応開発の成功の鍵は,ボロン酸ピナコールエステルと有機金属反応剤(有機リチウム反応剤や有機マグネシウム反応剤)を反応させて生成するアート錯体を反応に用いたことである.有機金属反応剤とボロン酸ピナコールエステルとが反応することで形成するアート錯体の構造が各種MR解析により明らかになった.今後は,上記の研究過程で得られた知見をもとに,これまでに開発した鉄触媒鈴木-宮浦カップリング反応の反応機構解析の研究,ならびに,本カップリング反応を利用した,より汎用性の高い新規炭素-炭素結合生成反応の開発研究を行う予定である.
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