墓制の変容にみる死をめぐる感覚と心意の民俗学的研究
Project/Area Number |
09J03180
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 真帆 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 墓制 / 心意 / 感性 / 日常生活 / 死 / 日本文化論 / 葬送儀礼 / 民俗学 / 葬制墓制 / 死をめぐる感覚 / 基層 / 両墓制 / 感覚 |
Research Abstract |
1.研究の具体的内容 死に対する感情と価値観を抽出するため、墓との関わり方から個人の行動を記録した。日課として参る墓地と、盆行事における墓参りではその意味合いが異なるように、文脈ごとで行動の意味もかわる。今年度の現地調査では、この墓との関わりの所作を、観察と聞き書きにより文脈ごとに記録した。墓地全体の変容をふまえた上で、日・月・年ごとの慣習や行事、日常生活の行動、時間帯などの違いから人びとの所作を記録化していく。なぜ墓参りをするのか、という問いも場面ごとに行動の記録と対照させて分類した。これまで石塔だけではない墓地の質的変容と人びとの死に対する感情の分析において成果を上げており、その上でさらなる行為の分析を行う。以上により、墓制を営む人びとの行動と振る舞いから、日常的な感情と心意の関係を記録化し、明らかにした。2.研究の意義 従来の墓制研究の回顧から精神史の再検討も行われているが、墓制の歴史を重視して現在時点から扱わず、石塔墓標分析に比重をおく手法に依然かわりはない。従来の心意論ではその素因となる人びとの感覚や感情、行動の動機を見落としてきた。葬墓制と人間の感情の相関についてえられたこれまでの研究成果から、死をめぐる心意は日常生活の経験と喜怒哀楽の感情の累積が大きく関与することを明らかにしてきた。つまり葬墓制から心意を解明するには、現地における日常生活の実践から人びとの行動様式とその動機である感情を読みとくことが有効である。さらにこれにより、従来の民俗学が心意を既存のものとして扱い資料操作するのみであった方法論的盲点を克服することに繋がり、いかに個人的感情と心意は結びつき、社会に共有化されるのか、という心意領域を解明することができ、大きな意義がある。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)