プトレマイオス朝エジプトにおける在地社会の再編―法・司法戦略・地方エリート―
Project/Area Number |
09J03289
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 真衣 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | ヘレニズム / プトレマイオス朝 / エジプト / デモティック / パピルス / 紛争解決 / 神殿 / 和解 / ギリシア語 / 古代史 |
Research Abstract |
本年度は、まず昨年に引き続き8月までルーヴェン・カトリック大学にて史料調査を行い、それらの分析を通してプトレマイオス朝エジプトにおける紛争解決の全体像を明らかにすることを目的とした。具体的には、同王朝エジプトのギリシア語嘆願書を中心とする資料の分析をすすめるとともに、近年の同王朝エジプト史研究で重要とされるデモティック(同時代の土着言語)史料の取り扱いについて、同大学のM.Depauw教授の指導を受けた。 9月以降は、収集した史資料を整理し分析した。その結果、制度史に偏った従来の研究では見落とされてきた、在地社会の私的な紛争解決の実態とその特徴について明らかにすることができた。すなわち、在地社会において、当事者本人が直接訴える自力救済的性格を帯びた日常的な訴訟行為と、それに対する仲介者としての地方官吏による紛争処理が地方自治に貢献していた。この研究成果は、10月に広島大学で開催された2011年度広島史学研究会大会にて発表した。 さらに、デモティックの神殿宣誓史料の分析からは、同王朝以前の法慣習が主にテーベ地方で継続しており、神殿を主体とする紛争解決が成立していたことから、地域内の権力構造を維持した同王朝の秩序維持の特徴を読み取った。このことは同時に、同王朝史研究におけるギリシア語史料とデモティック史料の比較考察の有効性を再認識することにもつながった。これらの研究成果は、12月に京都大学で開催された第10回古代史研究会大会にて発表した。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)