Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
昨年度まで,独自の手法により開発したアフィニティ樹脂(Moli-gelと呼称している)の表面化学特性について精査し,また,担持する生理活性物質の周りの環境を制御することにより,標的タンパク質の捕捉に有利になることを実験的に証明してきた。本年度もさらに,細胞膜表面と同じ構造を有する2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine(親水的側鎖を有する)を用いて,Moli-gelに担持した4-carboxybenzenesulfonamideの周りの環境を制御し,タンパク質捕捉実験を行った。結果,予想通り,4-carboxybenzenesulfonamideの標的タンパク質であるCarbonic anhydraseII(親水的環境に存在)の捕捉を有利にできることがわかった。 さらに,本年度は,湖沼等の淡水で産生される藍藻毒の一つであるミクロシスチン-LRの標的タンパク質探索を行った。ミクロシスチンが有するビニル基,または,カルボキシル基の異なる官能基をそれぞれ反応点としてMoli-gelに担持し,ブタ肝臓から調製したlysateを用いてタンパク質捕捉試験を行った。さらに,捕捉したタンパク質をSDS-PAGEにより分離し,バンドをゲルから切り出し,トリプシンを用いてゲル内で消化した後,LC-MS,および,Mascot databaseによりタンパク質を解析した。その結果,L-3-hydroxyacyl CoA dehydrogenase (HDHA)や,glutathione S-transferase (GST)が標的タンパク質の候補として挙げられた。ミクロシスチン-LRの新たな標的タンパク質候補を検索することに成功した。
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