Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は体細胞から樹立された多能性幹細胞であるiPS細胞を用い、肝細胞への分化能力を検討することを目的としている。平成21年度に、(1)ヒトiPS細胞からin vitroで肝細胞を分化誘導するための至適条件の確立(2)in vitroで分化誘導を行った肝細胞に対する機能評価の2点について検討を行った。当初、平成22年度の目標として、このヒトiPS細胞由来肝細胞を肝障害モデルマウスに移植する実験を計画していた。肝細胞様に分化したヒトiPS細胞のみを選別するために、セルソーターを用いた肝細胞マーカーによるポジティブセレクションを計画したが、想定した肝細胞表面マーカーであるASGRの抗体での標識がうまくいかずに移植実験まで進めることは困難となった。ただ、分化誘導実験の過程で、複数のヒトiPS細胞クローンを用いて肝分化誘導の実験を行うと、起源が同じロットのヒト線維芽細胞であるにもかかわらず、分化しやすいクローンと分化しにくいクローンがあり、ヒトiPS細胞クローン間で肝細胞への分化能力に差があるという興味深い知見が得られた。そこで、平成22年度の新たな実験計画目標として、(1)複数のヒトiPS細胞株間における肝分化能力差の比較検討を行うこととした。特に同一ドナーの線維芽細胞由来の複数のiPS細胞は初期化に用いたレトロウイルスの挿入という違いはあるものの、基本的には同一の遺伝子配列を有しているため、観察されたヒトiPS細胞株間の肝分化能の差はエピジェネティック修飾の違いによる、との仮説を立てた。評価法としては、肝臓の発生に深く関係する複数の転写因子を選び、そのプロモーター領域のDNAメチル化解析をパイロシークエンスを用いて行った。
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