ライブイメージング複合局所刺激による細胞力学応答に関する研究
Project/Area Number |
09J03835
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植木 洋輔 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | バイオメカニクス / メカノバイオロジー / 内皮細胞 |
Research Abstract |
1.細胞に局所的に力学刺激を負荷する為の磁気ピンセットシステムの構築を行った。この系を用い,局所力学刺激依存のアクチンリモデリングに及ぼす力学刺激の時間的パターンの影響を調べた。血管内皮細胞表面に,フィブロネクチンをコーティングした磁気マイクロビーズを接着させた。このビーズに300pNの大きさの引張り力を様々なパターンで負荷したところ,周波数1Hz,デューティサイクル50%で負荷した際に,最も顕著にビーズ周囲へのアクチン集積量が増加することが分かった。さらに,ミオシン分子の活性を阻害あるいは強制的に促進した際にはこの傾向が見られなくなったことから,内皮細胞においてはミオシン分子の寄与により,力学刺激に対する時間依存性が生じていることが示唆された。 2.血流に曝された内皮細胞に生じた細胞内力学場を詳細に調べる為,高精度で観察可能な新規実験系の構築を行い,せん断応力負荷によって生じた受動的な細胞の変形挙動の計測を行った。まず,共焦点レーザ顕微鏡を用いてせん断応力を負荷された生きた内皮細胞の断面像を取得した。その結果,硬い細胞核が軟らかい細胞質部分と同様のせん断変形を示すという驚くべき結果を得た。次に,ストレスファイバ(SF)を介して焦点接着斑や細胞間接着に伝達される力の計測を行った。画像解析を用いてSFに生じた歪み量を計測した結果,2から10Paのせん断応力を負荷した際には,0.01から0.1%の歪みがSFに生じていた。この歪み量とSFの力学特性から,SFを介して最大で数十pNの力が伝達されていることが示された。これらの結果は,せん断応力環境下にさらされた内皮細胞における細胞内力学場を実験的に初めて示したものであり,せん断応力感知機構を調べる上で必要不可欠な力学的・定量的情報を提供したものと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)