4次元変分同化手法の全球エアロゾル気候モデルへの導入と気候影響評価に関する研究
Project/Area Number |
09J03928
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Civil and environmental engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
弓本 桂也 九州大学, 応用力学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 物質輸送モデル / データ同化 / エアロゾル / 4次元変分法 / アンサンブルカルマンフィルタ |
Research Abstract |
特別研究員申請時の年次計画(2年目)に鑑み、本年度は物質輸送モデルへのデータ同化手法の導入とその検証に重点を置き研究を行った。 まず、全球エアロゾル気候モデルSPRINTARSに4次元変分法の導入を行った。SPRINTARSから気象計算を取り除き、外部データによって駆動するオフライン版のSPRINTARSを構築、そのオフライン版SPRINTARSを対象にアジョイントモデルを導出し、SPRINTARS/4D-Var同化システムを開発した。開発した同化システムに対して、理想的な仮想観測データを用いることによって、SPRINTARS/4D-Varの実行可能性を確認するとともに、本研究の最終目標の一つであるSPRINTARS/4D-Varを用いたエアロゾルの排出源逆推定が現実的に実行可能であることを確認した。また、実際の衛星観測データを用いた同化実験にも着手しており、東アジア域の土壌性粒子(黄砂)に適用し、発生源強度・分布の逆推定を行った。この結果は、日本気象学会2010年度春季大会にてポスター発表を行った。 また、本年度は日本学術振興会優秀若手海外派遣事業を利用し、米国Harvard大学Daniel Jacob教授のグループと8ヶ月に及ぶ共同研究を行った。現地では、世界的に広く利用されているGEOS-Chemモデルにアンサンブルベースのデータ同化手法を導入したデータ同化システムを構築し、いくつかの同化実験を行った。打ち上げが計画されている静止地球観測衛星は従来の極軌道衛星に比べ、時空間に渡って高密度のデータの取得が期待されている新しい観測手段である。本研究では、静止地球観測衛星を仮想したデータと従来の観測を仮想したデータの同化実験の比較を行い、東アジア域の大気汚染を正確に予報するためには、静止地球観測衛星による観測データが非常に有効であることを確認した。この結果は、日本気象学会2010年度秋季大会にて発表済みである。 最後に特筆する事項として、2010年度の日本気象学会山本正野論文賞を受賞した。受賞論文は本研究計画の基礎を担った研究である。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)