Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
送電鉄塔の強風に対するさらなる安全性を向上させるためには,鉄塔-送電線連成系の強風応答予測の高精度化と既設鉄塔の部材振動制御を確立することが不可欠である。本研究は,送電鉄塔の強風応答を決める支配的なパラメータの一つである空力減衰特性を考慮した3次元連成モデルと,自然風の持つ変動風速3成分間の相互相関関係を評価できる多次元3成分変動風速場シミュレーションにより,総合要因を考慮した送電鉄塔の強風応答シミュレーション技法を実現する。さらに,強風下における長時間の部材振動に対する制振デバイスを開発することによって,部材振動制御理論を確立する。本年度は以下の手順で研究を進めた。1.送電鉄塔の振動特性に対して優れた安定性を有する減衰同定手法を確立することにより,実基送電鉄塔の空力減衰特性を明らかにした。さらに,明らかにされた空力減衰特性を適切に評価する3次元連成モデルを構築することによって,送電鉄塔の空力減衰発達メカニズムを詳細に解明した。2.強風観測記録の分析により定式化した変動風速3成分間の相互相関係数を入力情報として与える風速場シミュレーション技法を構築し,目標風速場との誤差率が1%程度以下となる風速場をシミュレート可能であることを確認した。3.主に音環境対策や自動車などメカニカルな機構の制振方法として利用実績を有するダンピングシートと拘束板を併用する鉄塔部材の制振デバイスを考案し,パイプ部材の風洞実験により制振効果を検証した。その結果,本手法によって,渦励振による部材振動に対して最大で約50%の制振効果を付与できることを確認した。1.と2.の成果により送電鉄塔の強風応答予測の高精度化を実現し,3.の成果は既設鉄塔の強風に対するさらなる安全性を向上させるものである。
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