Evi-1による難治性白血病発症にポリコーム群が及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
09J04132
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉見 昭秀 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Evi1 / leukemia / polycomb / PTEN / rapamycin / epigenetics / histone / prognosis / Evi-1 / 白血病 / Polycomb / AKT / mTOR / Rapamycin / エピジェネティクス |
Research Abstract |
申請者は難治性白血病原因遺伝子の一つであるEvi1やAML1/Evi1融合タンパク質が複数のポリコーム複合体と結合することを見出した.また,Evi1とAML1/Evi1ががん抑制遺伝子PTENの転写を負に制御することを見出した.Evi1とAML1/Evi1はそれぞれポリコーム複合体をPTENのプロモーター上にリクルートすることで、ヒストン3リジン27のメチル化を介してPTENの転写をエピジェネティックに抑制することが示唆され,同所見はマウスモデルやヒトの白血病臨床検体を用いた解析から確認された.Evi1とAML1/Evi1はPTENの転写抑制を介して,下流のAKT/mTORシグナルを活性化したことから,mTOR阻害薬であるRapamycinがEvi-1高発現白血病細胞に対して優れた増殖抑制効果をもつ可能性が考えられた.そこで予後不良難治性白血病であるEvi-1高発現白血病のマウスモデルを世界ではじめて確立し,同マウスモデルにRapamycinを投与したところ,有意にマウスの生存が延長した.また、Evi1あるいはAML1/Evi1を導入することによって不死化したマウスの骨髄細胞は、ポリコーム複合体阻害薬(DZNep)に対して強い感受性を示した。以上の結果から,今回の研究により,Evi1高発現白血病、あるいはAML1/Evi1陽性白血病に対して新たな分子標的療法が確立され、難治性白血病の克服につながる可能性がある2つの新規標的治療の開発に向かって大きな前進が得られたと考えられる.さらに、Evi1とPTENの発現量と急性骨髄性白血病の予後について解析した結果、Evi1低発現かつPTEN高発現群は予後が良好であることを見出した。このことから、Evi1とPTENの発現量を定量することで予後予測および治療方針決定に役立つことが示唆され、臨床上も重要な知見と考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)