浮遊砂流れにおける組織構造が及ぼす粒子濃度変化および乱流変調に関する研究
Project/Area Number |
09J04248
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
水工学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野口 和則 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 浮遊砂流れ / 河床波流れ / 粒子・流体の相互作用 / 乱流変調 / PIV / PTV / ADV |
Research Abstract |
(1)浮遊砂流れにおける粒子と流れの組織構造に関係について 我々の研究では水路底面からの局所的な低速上昇流による粒子濃度の増加を定性的に評価することに成功しており,これをさらに詳細に検討した.その結果,粒子の輸送量を評価できる粒子フラックス値が,低速上昇流・高速下降流発生時に卓越することが示され,粒子の輸送に流れの組織構造が大きく影響していることを示した.また流体中に混入した粒子の径が大きければ流体の乱れが増大し,粒径が小さければ乱れが減衰することを実験的に示した.さらに,この増減のクリティカルな粒径がKolmogoroffスケールとほぼ一致することを示唆した. (2)河床波流れの発達過程における流れ場の変化特性について 河床波流れにおける逆流の発生が流れ構造を大きく変化させていることが再確認され,特に瞬間レイノルズ応力の増大が顕著であった.この値は粒子浮上に関わる要素とされており,本研究でも逆流が存在する流れで粒子浮上領域が大きく検出された.また,数値計算によって実験では計測困難な鉛直-横断平面の流れ構造を示し,逆流の存在が横断方向の流れを増大する傾向を示した.さらに逆流域背後に発生するボイル渦の3次元性に注目し,渦による粒子の拡散を計測した.ボイル渦(低速領域)の横断方向領域において,近接する高速流体に引っ張られるように流れの方向が変化し,横断方向流速成分が大きくなる傾向が見られた.これは数値計算によっても再現された.さらにこの流れに粒子が追随し,徐々にボイル渦外部へ運搬される様子が確認された. (3)超音波ドップラー流速計(ADV)による高粒子濃度流れの計測 砂粒子ではなく軽量のポリスチレン粒子を使用して,洪水流のような高粒子濃度の浮遊砂流れを実験室の流れで再現した.このような高濃度浮遊砂流れではADVは非常に有効な計測手段である.計測結果として,ADV信号の反射強度を使用して流速だけでなく粒子濃度の計測も可能であることが実験的に示唆された.
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)