受容体膜蛋白質の可視化とその制御を用いた新技術の開発
Project/Area Number |
09J04283
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 亜矢子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 細胞表面ラベリング / AMPA受容体 / ZIPペプチド / 4-RhPM / 長期増強 / 膜タンパク質 / 可視化 / FALI / 機能阻害 / アストロサイト |
Research Abstract |
前年度までに、ペプチドを用いた膜蛋白質の新規可視化法を確立した。新規手法によって従来になかった時間的分解能が得られた。この利点を生かし、今年度は、膜上のグルタミン酸受容体の分子動態解析を行った。精製したペプチドにpH感受性色素を付加することにより、細胞内に取り込まれたエンドソームを可視化することで、リアルタイムな受容体の細胞内外の分子動態の評価が可能となった。 グルタミン酸受容体動態の理解は、記憶の分子メカニズムを理解する上で非常に重要であるものの、従来の方法では標識による時間的制約や、分子サイズによる立体障害などの問題点が指摘されてきた。新規手法によりこの2点を克服し、受容体のリサイクリングの過程を直接可視化する事が可能となった。受容体の細胞内での局在は細胞膜上にある機能的なものであるか、細胞内に回収されたものであるかを判別する事は難しかったため、pH感受性色素である4-RhPMを用いる事で、細胞内に取り込まれた酸性小胞中の受容体のみを特異的に可視化することを可能にした。一方で、中性条件下によって蛍光を発するpH感受性蛍光蛋タンパク質であるsuperecliptic pHluorinと融合したグルタミン酸受容体との挙動を共に解析する事で細胞内外に存在する受容体動態を解析することが可能となった。この観察により、グルタミン酸受容体は、従来報告されているよりも、非常に速い速度で膜上から細胞内へと回収されていることが観察された。さらに、可塑性に伴うグルタミン酸受容体動態においても側方分散だけでなく、リサイクリングエンドソームより供給されている可能性が示唆された。 以上より、膜蛋白質の新規可視化法の確立により、従来不可能だった局所での分子機能阻害だけでなく、高い時間分解能での解析を達成し、記憶の分子メカニズムである長期増強の過程をリアルタイムで評価できる系を確立することができた。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)