二酸化炭素による芳香族化合物の直接カルボキシル化とその展開
Project/Area Number | 09J04641 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Research Fellow |
根本 耕司 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost : ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010 : ¥700,000 (Direct Cost : ¥700,000)
Fiscal Year 2009 : ¥700,000 (Direct Cost : ¥700,000)
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Keywords | カルボキシル化 / 二酸化炭素 / Lewis酸 / 求電子置換反応 / 求核置換反応 |
Research Abstract |
これまでの研究で、申請者は、Lewis酸の存在下、ハロゲン化トリアルキル(またはアリール)シラン(R_3SiX)がCO_2による芳香族化合物の親電子的カルボキシル化を著しく促進することを見出している。前年度までにおいて、申請者らは研究実施計画項目「活性種のキャラクタリゼーションとカルボキシル化試薬としての利用」について、その前半部分に相当する活性種の推定と、それに基づく反応機構の解明を終えていたため、本年度は後半部分である、活性種のカルボキシル化試薬としての応用に取り組んだ。種々検討の結果、最も反応促進効果の高かったPh_3SiClとAlBr_3を用いて、予め調製した活性種をカルボキシル化試薬として用いる芳香族炭化水素の直接的なカルボキシル化反応を検討したところ、メシチレンを中程度の収率でカルボキシル化することに成功した。また、本手法を用いて研究実施計画「配位性官能基をもつ芳香族化合物、重合性の高い不飽和脂肪族化合物のカルボキシル化の検討」についても検討した。しかしながら、期待に反して良好な結果は得られなかった。反応に必要不可欠なAlBr_3の高いLewis酸性が、基質の分解や重合といった副反応を引き起こしてしまうことが原因であると考えられる。しかし、検討の過程で、含硫黄芳香族化合物の直接カルボキシル化反応が、Lewis酸としてアルキルアルミニウムジクロリド(RAlX_2)を用いた場合に効率よく進行することを新たに見出した。本反応は、上述のアレーン類の反応とは異なり、R_3SiXの添加効果は見られなかった。反応条件の最適化により、生理活性化合物の構造中にしばしば見られるチオフェン-2-カルボン酸類の効率的合成法を確立した。近年、チオフェンを始めとするヘテロ芳香族化合物の直接的な官能基変換反応が脚光を浴びる中、予備的な官能基化や特別な実験条件を必要とせず、容易にカルボキシル化反応が進行することを見出したことは極めて意義深い。
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Report
(2results)
Research Products
(13results)