高効率、高選択的アルカンメタセシスを実現する新規触媒システムの開発
Project/Area Number |
09J04793
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Catalyst/Resource chemical process
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 森也 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アルカンメタセシス / アルカン脱水素 / オルフィンメタセシス / PtSn/Al_2O_3 / Re_2O_7/Al_2O_3 / オレフィンメタセシス / Re_2O7/Al_2O_3 / アルカン骨格伸長 / PtSn / Al_2O_3 / Re_2O_7 |
Research Abstract |
本研究課題の通り,本研究は高効率高選択的なアルカンメタセシスを実現する新規触媒システムの開発を目指している,第一年度ではアルカン脱水素・水素化触媒としてPtSn/Al_2O_3を,オレフィンメタセシス触媒としてRe_2O_7/Al_2O_3を用いこれらの触媒層を閉鎖循環系内で連結させたタンデム型反応系を設計し,第二年度においては触媒系の最適化によりさらなる活性の向上に成功した.第三年度においては,より一層の活性向上を目指し,速度論的検討および触媒性能の再評価を行った. (1)速度論的考察 本反応における生成物収量の経時変化を追跡した結果,反応の初期においてエチレン,プロピレン,2-ブテンがそれぞれ1:2:1の比で生成したことから最初のステップであるプロパンの脱水素に比べそれに続くプロピレンのメタセシスは十分に速く進行することが示された.この結果から,本反応系においては最初のステップであるプロパン脱水素を促進することが全体の反応促進に重要であるということが見出され,活性向上に対する指針を得るに至った. (2)PtSn/SiO2のキャラクタリゼーションと触媒活性の評価 本反応における重要なステップである脱水素・水素化過程に関与するPtSn/Al_2O_3触媒に対しPtの分散度をCOパルス法により見積もった結果,Ptの分散度は19%であることを明らかにした.その結果,表面に存在するPt原子当たりの触媒回転数は反応120時間後で233に達することが判明した.本触媒性能は従来報告されている最高値の二倍近い値であり,本反応系の優れた性能が実証された.これまではプロパン転化率で触媒性能を比較していたため従来の値に匹敵するという評価であったが,この様に活性サイトあたりの触媒性能を明らかにすることで,本アルカンメタセシス反応系の性能を再評価することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第二年度までにおいて既に担持量やPt/Sn比といった比較的単純な要素に関して触媒系の最適化が完了していた.そのため,より一層の活性向上には反応機構に関する理解とそこから導き出される活性向上に対する指針を得ることが不可欠であった.この観点から本年度の研究において得られた知見はこれを満足するものであるといえる.また触媒性能の再評価によってチャンピオンデータを超える値を示すに至ったことは,本研究の最終目標の達成を示すものであると評価できる.以上の点から,当初の計画以上に研究の進展があったものと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今回得られた知見を基に,反応の第一ステップであるアルカン脱水素の過程を促進させることでより高活性な系の構築を目指す,吸熱反応であるアルカン脱水素を劇的に促進させるには,脱水素触媒層の反応温度をより高温に設定することが望ましい.しかしながら脱水素と水素化が同一触媒上で起こる本反応系では,高温条件では逆に最後のステップである水素化の進行が逆に抑制されるということが既に分かっている.そこでこれまでの触媒系において,オレフィンメタセシス触媒層の下流にオレフィン水素化触媒層として低温(300℃以下)に設定したPtSn/Al_2O_3層を新たに設置し,上流のPtSn/Al_2O_3層を高温(400℃以上)に設定することでより高効率な反応系を構築できるものと期待できる.ただし選択性低下の原因となるクラッキングを抑制するため,上流のPtSn/Al_2O_3触媒層の温度は500℃未満にすることが望ましく,400~450℃付近で最適な温度を模索する.
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)