Project/Area Number |
09J04806
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | Kitasato University (2011) Tokyo Institute of Technology (2009-2010) |
Principal Investigator |
佐々木 伸 北里大学, 理学部, 助教
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超対称ゲージ理論 / インスタントン / 非摂動効果 / M理論 / M2-brane |
Research Abstract |
今年度は、N=4およびN=2超対称ゲージ理論のインスタント効果に関する研究(研究活動1)、Ω背景場上のN=2超対称ゲージ理論におけるモノポール解(研究活動2)、および3次元N=3, N=4 Chern-Simons-Higgs理論のoff-shell構成法(研究活動3)に関する研究を行い、論文を発表した。以下、研究課題との関連も含め、これらの研究に関する概説する。 研究活動1 伊藤克司氏(東京工業大学 教授)、中島宏明氏(韓国KIAS, Kyungpook大学 研究員)および坂拓哉氏(東京工業大学博士課程3年)との共同研究に基づく。前年度の研究で考えられていた非自己双対Ω背景場をさらに一般化し、10次元Ω背景場上で定義された超対称ゲージ理論を、4次元に次元還元した模型を考えた。この模型は従来考えられていたNekrasovによるΩ背景場よりも多くのパラメーターを含み、Ω背景上のN=2ゲージ理論をN=4の場合まで自然に拡張する。このような一般化されたΩ背景場を弦理論の枠組みで再現した。インスタントをtype 11B超弦理論におけるD3-braneに埋め込まれたd(-1)-braneとみなし、N=2ゲージ理論の場合と同様にΩ背景場の効果をR-R 3-form背景場として導入した。 研究活動2 超対称ゲージ理論のインスタント効果を考えることで、低エネルギー有効理論における非摂動効果を定量的に扱うことができ、低エネルギーでの超対称性の力学的破れの有無を解析することが可能になる。研究活動2では、二変数で表されるΩ背景場において一変数を落としたもの(Nekrasov-Shatashvili極限)を考え、中心電荷とBPSダイオン方程式およびモノポール方程式の解について調べた。この結果は伊藤克司氏(東京工業大学 教授)および鴨下智氏(東京工業大学 修士課程2年)との共同研究に基づく。 研究活動3 この研究の内容は新井真人氏(チェコ工科大学 准教授)との共同研究に基づく。我々は拡張された(N=3およびN=4)超共形不変性をoff-shellで明白に保つ射影超空間構成法に着目し、超共形Chern-Simons-Higgs理論の構成法を調べ、論文をまとめてプレプリントサーバーへ投稿した(現在ジャーナルへ投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究では大別して(i)Ω背景場中の4次元N=4およびN=2超対称ゲージ理論におけるインスタントン有効作用および中心電荷へのΩ背景場補正、(ii)3次元N=3およびN=4超対称Chern-Simons理論のoff-shell構成法に関して研究を行なった。(i)では前年度から引き続き、インスタントンによる非摂動効果を調べた。低エネルギーでの超対称性の力学的破れを調べるためには非摂動効果であるインスタントン効果を詳しく調べなければならない。インスタントン効果を解析的に調べる事は非常に難しく、解析的な計算を行うにはΩ背景による理論の変形操作をすることが有効である。我々はΩ変形されたインスタントンを詳しく調べた。(ii)で構成した理論はM理論におけるある背景上でのM2-brane世界体積有効作用と見なせる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在考えられているΩ背景場を多パラメーター変形されるものへ拡張し、インスタントン効果への寄与を調べる。Ω変形パラメーターは非摂動効果への超重力理論補正と考えられるので、低エネルギー有効理論での真空構造が、重力補正がどの程度変わるかを調べる予定である。準安定真空を調べる事は、ポテンシャルの極致を調べる事なので、解析的に調べる事は一般的に難しい。必要であれば数値解析も行う予定である。 また、準安定真空の宇宙初期での振る舞いを調べるため、有限温度、有限密度での準安定真空の振る舞いを調べる事は重要である。昨年度の研究でO'Raifeartaigh模型における準安定真空の有限温度効果を調べたので、引き続き有限密度効果を調べる予定である。また、その他の模型でも有限温度、有限密度効果を調べる。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)