分裂酵母Rhb1優性活性型変異体を用いた栄養飢餓応答シグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
09J04910
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村井 朋香 京都大学, 放射性生物研究センター, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 細胞成長 / 栄養飢餓 / アミノ酸取り込み / 低分子量GTPase / 分裂酵母 / Rheb / TOR / 減数分裂 |
Research Abstract |
申請した研究計画に基づき、Ras様低分子量GTPase Rhebの分裂酵母ホモログRhb1について、Rhb1優性活性型変異体を用いた解析を行った結果、Rhb1が、下流因子TORキナーゼを介したシグナル伝達によって窒素源枯渇時の応答を制御しているのに対して、窒素源豊富時にはTORキナーゼを介さない新規下流経路を制御していることを見出した。酵母モデル系から得た事実について、生物種を超えた保存性や生物学的意義を探究するため、培養細胞を用いて変異Rhebタンパク質の解析を行った。得られた2種類の変異体の変異部位はヒトから酵母までよく保存されたアミノ酸であったため、分裂酵母Rhb1変異をヒトRhebに導入し、培養細胞を用いて哺乳類におけるRhebシグナル伝達経路の分岐の意義を調べた。まず、変異Rheb発現細胞でのTORの活性化を検出した。その結果、酵母を用いた遺伝学的解析から予想された通り、2種類の変異体を発現させた哺乳類細胞ではTORへの活性能が大きく異なることが示された。次に、変異Rhebを発現させた細胞における、異常タンパク質の蓄積とそれに伴う異常な細胞死の誘導を調べた。その結果、異常タンパク質の蓄積はTOR経路の異常活性化変異体でのみ見られたため、TOR経路によって制御されている可能性が示唆された。さらに、変異Rhebを恒常的に発現させた哺乳類細胞株を用いて、変異Rheb特異的に相互作用するタンパク質を網羅的に探索した。その結果、野生型Rhebには結合しないが、変異Rhebにのみ相互作用するタンパク質の存在が示された。このタンパク質はRhebの新規エフェクター、あるいはRhebの下流の新規経路で働く因子であることが期待される。今後、質量分析によりこのタンパク質を同定し、Rheb経路との関わりを検証したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)