Project/Area Number |
09J04991
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Nagoya City University (2011) National Institute of Genetics (2009-2010) |
Principal Investigator |
鈴木 由紀 (2010-2011) 名古屋市立大学, 大学院・システム自然科学研究科, 特別研究員(PD)
小林 由紀 (2009) National Institute of Genetics, 生命情報・DDBJ研究センター, 特別研究委員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | RNAウイル / 進化 / 自然選択 / N結合型糖鎖 / 免疫回避 / 狂犬病ウイルス / 分岐年代 / 進化速度 / 疫学 / イヌ / ブラジル / 個体内進化 / 遺伝的多様性 / ウイルス集団 |
Research Abstract |
狂犬病は狂犬病ウイルスに感染した動物の唾液を介して感染し、発症するとほぼ100%の割合で死亡する危険な感染症である。これまでに狂犬病ウイルスの病原性を決める様々な要因が報告されているが、その中の一つに狂犬病ウイルスの膜蛋白質におけるN結合型の糖鎖付加が示唆されている。しかしN-結合型糖鎖の役割は多様であり、進化の過程で獲得した糖鎖付加部位がウイルスの病原性にどのような影響を与えてきたのかわかっていない。N結合型糖鎖には様々な役割があるが、その一つとして、ウイルスの抗原部位(AS)をカバーすることによって抗体の抗原認識を阻止することがわかっている。そこで、狂犬病ウイルスの適応進化機序を明らかにする一環として、狂犬病ウイルスと同じRNAウイルスに属するインフルエンザウイルスを用いて、スパイクを構成するヘマグルチニンのASにおいて同義置換(d_S)と非同義置換(d_N)の速度比(d_N/d_S ratio)を糖鎖結合部位(NGS)が出現する前後で比較することによって、糖鎖の付加がウイルスのASに働いている自然選択に与えてきた影響を解析した。その結果、ASのd_N/d_S ratioはNGSが出現する以前は1以上であったが、NGSが出現することによってd_N/d_S ratioが1以下に減少した。これはNGSが出現することによって抗原座位に働く自然選択が弱くなったことを示唆しており、インフルエンザウイルスが進化の過程でNGSを獲得することにより中和抗体の抗原座位への結合を阻害してきたことが明らかになった。本研究成果はRNAウイルスの免疫回避機構を理解する上で非常に有益な情報であり、2012年にJournal of Virology誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
RNAウイルスの免疫回避機構の1つとして、糖鎖で抗原座位を覆うことにより抗体の結合を阻害するという機構が提唱されてきたが、そのような機構が進化の過程で実際に有効に働いてきたのかは不明であった。しかし本研究によって糖鎖付加部位の増加がインフルエンザウイルスの免疫回避に寄与してきた証拠を示し、Journal of Virology誌に掲載することができたため、当初の計画以上に進展があった。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)