Project/Area Number |
09J05060
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | Okayama University (2011) Hitotsubashi University (2009-2010) |
Principal Investigator |
高谷 幸 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 親密圏 / 移住女性 / ポリティクス / 国際結婚 / 移民研究 / 在日フィリピン人 |
Research Abstract |
研究課題は、「移住女性が生きる重層的親密圏とそのポリティクス」である。本研究の目的は、在日フィリピン人女性が生きる重層的親密圏がどのように構築され、維持されているのか、そこにはいかなるポリティクスが働いているのかを明らかにすることである。これを通じ、家族や移民ネットワーク、支援NGOなど、従来別個に捉えられてきた親密圏を、差異と共通性をふまえ統一的に把握することができる。 本研究が対象とする在日フィリピン人女性の多くは、80年代以降に来日し、そこでの就労を経て、日本人との結婚や子どもの出産など、日本人と家族関係を形成してきた。彼女たちの日本への移動を、アジアにおける結婚移住という文脈で考察するため、平成22年8月より引き続き、平成23年4月1日~8月9日まで国立シンガポール大学アジア研究所で調査研究を行ってきた。具体的には、ジェンダーと移民およびアジアにおける移民研究についての文献研究に取り組むともに、アジア地域内の女性の移住労働者にかんする情報収集や、研究所での会議に積極的に参加し、国際的な研究ネットワーク構築にも力を入れた。またその間、在日フィリピン人女性支援NGOにおける親密圏の構築過程を分析した論文の修正を行い、『社会学評論』に掲載された。 帰国後は、主に在京の支援団体を訪問し会合に出席することを通じて、日本の移住者をめぐる状況の情報収集を行い、そのアップデートをはかった。またISA(国際社会学会)のResearch Committeeの一つであるRC06(家族研究委員会)主催セミナーCFR Kyoto Seminar 2011 on Reconstruction and Intimate and Public Spheres in a Global Perspective(Kyoto University,Sep.13,2011)において、"Relationship between Labor Force Participation and Marital Status of Female Migrants in Japan"と題した発表を行った。また日本社会学会の年次大会(関西大学,2011年9月17日)においても、「批判的移民理論のために-シティズンシップ・ジェンダー・境界」と題し、関連する発表を行った。その他、複数の国際セミナーに出席した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
在日フィリピン人女性の親密圏の構築について考察するという点では、支援NGOに着目した調査研究によってその構築過程を詳細に明らかにできた。またその背景として、在日フィリピン人女性の社会経済的な地位、アジアにおける女性移動についても研究を行うことができた。一方で、現時点では、親密圏構築の事例分析にとどまっており、理論的な展開は今後の課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は今年度が最終年度にあたっていた。今後は、これまでの研究成果を博士論文とあわせて書籍として公表すること、また国際学会での発表についても英語論文として公表することを目指す。 一方、研究の展開については、本研究では親密圏という対面的な関係におけるポリティクスに焦点を当ててきた。しかしそのポリティクスは、人種、ジェンダー、法的地位等の支配社会における規範や支配構造から自由ではなかった。そこで今後は、支配社会における人種やジェンダー規範に、移住女性の日常的な文化実践にどのように影響を与えているのか、そのなかで、女性たちがどのよりな行為を行っているのかに着目した研究を行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
高谷幸
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Journal Title
「第三の道」『キーワードで読み解く現代社会―グローバル化が変える国家と社会』(佐伯啓思ほか編)(ナカニシヤ出版)
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