Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は第二言語としての日本語の音声習得の過程を解明し,効果的な学習方法を究明することを目標とする。中でも,学習者にとって習得が困難であると考えられる特殊拍に焦点を当て,その訓練方法確立を試みた。今年度は呈示文脈を変え,促音および非促音の聴取訓練を実施,発話速度の多様性による般化範囲と程度を調査した。その結果,訓練における発話速度の多様性の有無が般化の範囲や程度に影響をおよぼすことが示された。多様な発話速度で訓練を行った場合,促音語の対立であれば単語音声か文音声かによらず,正答率が上昇した。一方,固定された発話速度で訓練した場合,文音声の聴取判断では異なる発話速度,異なる特殊拍の種類(長音)には般化したものの,単語音声には般化し難かった。 上記の結果から,聴取訓練の有効性についてより具体的な解明を試みるため,韓国語母語話者と英語母語話者との結果の比較を行った。その結果,韓国語母語話者に促音および非促音の判断において非促音を促音として判断するいわゆる,促音挿入現象が顕著に現れたことである。そこで,本研究では,韓国語母語話者に見られる促音挿入現象の原因把握を試みた。その結果,韓国語母語話者に見られる促音挿入現象は非促音の語中子音部の持続時間を発話速度に応じて判断できなかったことや,非促音の子音部および子音部に近接した母音のラウドネスが関与する可能性が示唆された。このことから,韓国語母語話者が促音および非促音の判断においてラウドネスのような心理物理量による誤判断が生じる可能性があることがわかった。今後,韓国語母語話者の知覚特性をより具体的に把握すると共に,生成においても同様な特性を持っているかどうかについて検討をし,韓国語母語話者の日本語習得過程の解明し,学習者の学習特性に合わせた聴取学習方法を提案していく予定である。
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