Project/Area Number |
09J05229
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥村 宏典 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 窒化アルミニウム / 分子線エピタキシ法 / 炭化珪素基板 / 初期成長制御 / 臨界膜厚 / 光学特性 / 透過型電子顕微鏡 / 欠陥構造 / 窒化アルミニウム(AlN) / 炭化珪素(SiC)基板 / 基板表面構造制御 / 界面制御 / ヘテロポリタイプ / ヘテロバレント / AlN / SiC界面 / ポリタイプ / 欠陥評価 / Ga先行照射 / layer-by-layer成長 |
Research Abstract |
無線通信の大容量化や高速化に伴い、次世代の高周波パワーデバイスとしてSic基板上GaN系高電子移動度トランジスタ(HEMT)が着目されている。しかし、GaN層に存在する10"9cm^-2程度の貫通転位がGaN-HEMTの信頼性を脅かしているため、高品質GaN成長方法の確立がGaN-HEMT普及の鍵となる。本研究の目的は、SiC基板上GaN層の高品質化である。SiC基板上高品質GaN成長の方法として、AlN緩衝層の高品質化に取り組んできた。申請者らは、AIN/sic界面に着目した、6H-SiC(0001)基板上AlN成長層の高品質化を目指してきた。これまで、初期成長制御を行うことで、成長第一層目からのlayer-by-layer成長を実現し、貫通転位密度を4x10^8cm^-2まで低減することに成功した。"AlN層上にGaN成長を行う場合、AlNとGaNの大きな格子定数差(2.5%)による新たなミスフィット転位の発生が問題となる。そこで、申請者らは、高品質AINテンプレートを活かしたGaN層の高品質化に向けて、AlN/GaN-graded層の挿入を提案してきた。本年度は、AlN/GaN-graded層におけるミスフィット転位の制御に必要な歪みの知見を得るため、SiC上AlN層およびAlN上GaN層の臨界膜厚について詳細に調べた。 RSM測定では、AlN層の膜厚700nmまではAlN(11-24)層とSiC(11-2 12)基板のa軸格子定数が一致しており、SiC基板にコヒーレントに成長していることを示唆する。膜厚900nmから格子緩和し始め、1000nmではAIN(11-24)層のピーク位置がバルクAIN(11-24)の位置に接近していた。2θ/ωスキャンにより求めたc軸格子定数、ラマン分光により求めたE2Hのピーク位置、およびカソードルミネッセンスのバンド端近傍のピーク位置全てにおいて、膜厚900nmから緩和していることを示唆していた。これらの結果から、SiC上AlN層の臨界膜厚は、700~900nmの間にあると言える。一方、成長温度が650℃でも、貫通転位密度が10^10cm^-2以上存在する場合は、臨界膜厚が100nm程度であり、成長温度が950℃で貫通転位密度が10^10cm^-2以上存在する場合は、臨界膜厚が15nmであった。したがって、臨界膜厚が700nm以上になる原因として、低い成長温度により貫通転位がグライドし難い、小さい貫通転位密度により十分に歪みエネルギを解放できない、ことが挙げられる。また、成長開始直後からlayer-by-layer成長していることも臨界膜厚が増大した原因と考えられる。
|