ToF-SIMSを用いた樹木細胞壁成分のケミカルマッピング
Project/Area Number |
09J05367
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
木質科学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 香織 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 木材化学 / 質量分析 / 顕微分析 / リグニン / 多糖 / 無機イオン |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体分析において新しい分析手法である飛行時間型二次イオン質量分析(ToF-SIMS)を用いて、樹木細胞壁において、細胞壁構成成分であるリグニンや多糖、さらに心材などにおける抽出成分の分布を明らかにすることである。樹木細胞壁において、細胞壁構成化学成分の細胞レベルでの空間的分布や、抽出成分の蓄積分布過程を検出する手法は限られており、いまだ十分に解明されていない。ToF-SIMSは、金などの一次イオン照射によって、試料表面から放出された二次イオンを測定する表面分析法であり、特定分子イオンの分布可視化が可能な分析機器である。特別研究員採用後3年目は、ToF-SIMSを用いて、主に樹木細胞壁に分布するリグニンと無機イオンさらに、心材抽出成分に焦点を当てた。今回、ToF-SIMSを用いた広葉樹試料におけるリグニンの分布可視化において、化学分解法による結果と照合することにより、ToF-SIMS分析の信頼性を実証され、また、細胞の種類の違いによるリグニンモノマー分布の不均一性が明らかになった。これらリグニンの結果は、論文にまとめ、国際学会誌The Plant Journalに掲載された。さらに、無機イオンも網羅的に分布解析した結果、カエデに多いと言われるアルミニウムが局所的に分布することが示唆された。現在、これらの結果考察を論文にまとめており、今後学術雑誌に投稿予定である。また、心材の直前の移行材から心材にかけて、特定の抽出成分ヒノキニンが、細胞レベルでどのように蓄積しているか、木口、柾目、板目切片を用いてToF-SIMSマッピングを行った。これらToF-SIMSイメージと同じ部分の電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、詳しい組織構造を解析した。これらの結果を合わせて、心材形成に伴う抽出成分の蓄積を明らかにし、心材形成の解明につなげることを目標とする。現在、これまでの結果を論文にまとめており、学術雑誌に投稿予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(13 results)