ポリマー保護鉄硫黄クラスターを用いた窒素分子の活性化
Project/Area Number |
09J05396
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 俊 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 鉄硫黄クラスター / ポリマー保護化 / 窒素分子の活性化 / かさ高いチオラート |
Research Abstract |
1、研究成果の具体的内容 当該研究室においては、ニトロゲナーゼP-clusterと同様のクラスター骨格を持つ[8Fe-7S]型クラスターが既に合成されている。そこで当該研究の予備実験として、このクラスターを用いたポリマー保護化を検討した。クラスターをトルエンに溶液させた後、ポリスチレンのトルエン溶液を加え、70℃で撹拌したところ、予定通り、ポリマー保護体が生成した。この保護体のTHF溶解に対して、ルチジン塩酸塩およびデカメチルコバルトセンを両者の化学量論比が1:1となるように加え、室温で30分間反応させた。反応系の気相部分をガスタイトシリンジで採取し、ガスクロマトグラフィーを行ったところ、本反応において、水素分子が発生していることが確認された。比較実験のため、ポリマー保護していないクラスターの存在下で同様の反応を行った場合には、水素分子の生成は確認されなかった。 2、研究成果の意義と重要性 当該研究において用いる鉄硫黄クラスターの無機骨格は、かさ高いチオラート配位子によって覆われている。このクラスターに対してプロトンを反応させると、チオラート配位子がチオールとして遊離してしまう。その結果、クラスターの無機骨格表面がさらされることになるため、クラスター骨格は不安定化され、速やかに崩壊する。当該研究において工夫したポリマー保護化は、この問題点を解決するための方策であり、チオラートに比べて高い塩基性を示すアミド配位子が鉄に配位した化合物を用いて、プロトン耐性を確認できたのは、その研究指針が正しかったことを裏付ける成果である。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)