TRPチャネルによる活性分子種センシングの生理的意義解明
Project/Area Number |
09J05398
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 重成 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | TRPチャネル / アロデニア / ノックアウトマウス / TRPV1チャネル / プロスタグランジン / ミクログリア / 感覚神経 / アロディニア |
Research Abstract |
動物は常に様々な酸化ストレスにさらされており、それを厳密に感知することが生命活動の維持に必須である。申請者のグループは一酸化窒素などの酸化剤によって数種類のTRPチャネル(TRPC5, V1, V3, V4, A1)が活性化することを見出している。申請者はそれぞれのTRPチャネルが特有の酸化状態を感知し、活性化するのではないかと考え、化合物の酸化・還元電位とTRPチャネル活性化との相関を調べたところ、化合物の酸化・還元電位に依存したTRPチャネルの活性を発見した。この結果から内因性活性分子種である15-deoxyΔ^<12,14>-Prostaglandin J_2によるTRPV1の持続的な活性化をこれまで見出していた。当該年度においては偶然的にも神経系に発現するTRPチャネルのいくつかが酸化作用を有するガス状分子によっても活性化するという驚くべき結果が得られた。まず、酸化感受性TRPチャネルのいくつかが、酸化作用を有するガス状分子によっても活性化することを見出した。これらのTRPチャネルは感覚神経及び迷走神経に発現が認められることから、その神経細胞体であるdorsal root ganglion及びnodose ganglion neuronsを用いて評価したところ、これらのTRPチャネルを介した電流が観察された。また、蛍光トレーサーであるDiIを用いた実験により、これらのTRPチャネルは気管や肺に投射している迷走神経に発現していることが明らかになった。一般に、気管や肺に投射している迷走神経は咳反射や呼吸反射に重要であることから、本TRPチャネル群が生体にとって有毒であるガスを感知し、咳反射や呼吸反射を介して、体内へ取り入れないようにする機構の一端を担っていることが示唆された。また、感覚神経においても本TRPチャネル群の活性化が認められたことから、疼痛感覚、神経因性炎症、喘息への関与が考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)