Project/Area Number |
09J05514
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤澤 興 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2011: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | エンドセリン / 神経堤細胞 / Gタンパク質共役型受容体 / エンドサイトーシス / 脱感作 / Wntシグナル / G蛋白質共役型受容体 |
Research Abstract |
エンドセリン受容体はエンドセリン-1をリガンドとするGタンパク質共役型受容体であり、A型受容体(ETAR)とB型受容体(ETBR)の二種類のサブタイプが存在する。私はこれまでの研究の結果、顎顔面の形態形成においてETARとETBRの互換性が乏しい理由として、ET-1結合後の両受容体の細胞内動態の違いを明らかにしてきた。これに加えて両受容体のリガンド結合直後の脱感作の違いを比較するため、各受容体を過剰発現させた培養細胞にET-1を二度添加し、細胞質内のカルシウム濃度を経時的に測定したが、両者に有意な差は観察されなかった。このことから脱感作については両者に差が無いことが示唆された。 近年様々なGPCRと古典的Wntシグナル伝達経路との間にクロストークが存在することが報告されており、この経路の異常が癌の進展や細胞の分化において重要な役割を担うことが明らかにされている。エンドセリン受容体がWntシグナル伝達経路とクロストークするか否かを検討するためにHeLa細胞とP19細胞においてET-1刺激によるβカテニンの転写活性を調べたところ、HeLa細胞においては有意な差が見られないのに対して、P19細胞においてはET-1刺激によってβカテニンの転写活性が低下した。さらに、この転写活性の低下はET-1刺激によって誘導される細胞質内のカルシウムが引き起こすもので、βカテニンをリン酸化し、分解に導くGSK3βの活性とは無関係であることが示唆された。今後培養細胞を用いてβカテニンの転写活性が抑制される分子メカニズムをさらに詳細に明らかにすると共に、マウス個体においてET-1/ETARシグナルが実際に古典的Wntシグナル伝達経路に干渉するか否かを検討することによって、顎顔面の形態形成におけるETARの細胞質内シグナル伝達経路の解明に寄与することが期待される。
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