昆虫嗅覚受容体のイオンチャネル活性に関わる分子基盤の解明
Project/Area Number |
09J05570
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 龍郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Keywords | 昆虫嗅覚受容体 / イオンチャネル / 二電極膜電位固定法 / アフリカツメガエル卵母細胞 |
Research Abstract |
本研究は、昆虫嗅覚受容体複合体が'匂い'という化学信号を'神経発火'という電気信号に変換する分子基盤を解明するため、複合体のポアを形成するアミノ酸部位を同定することを目的としており、今年度、交付申請書に記載した研究計画に基づき研究を実施した。実際に解析する分子として主にアフリカツメガエル卵母細胞発現系において効率良く発現するカイコガ性フェロモン(bombykol)受容体BmOr-1およびカイコガOr83bファミリー受容体BmOr-2を用いた。前年度までにBmOr-1/BmOr-2複合体のポアを形成するアミノ酸の候補が複数箇所見出されていた。今年度はこれら候補アミノ酸部位が実際に複合体のポアを形成するか確かめるため以下の実験を行った。変異体のイオン選択性の解析:一般にイオンチャネルのポアのアミノ酸に変異を導入すると、チャネルが透過させるイオンの選択性が変化することが知られている。そこで候補アミノ酸の点変異体のイオン選択性が野生体のものと異なるか調べた。その結果、候補アミノ酸のうちBmOr-2 Tyr464の点変異体は野生体と異なるイオン選択性を示すことが明らかになり、このアミノ酸はポアのアミノ酸である可能性が高いと考えられる。変異体のチャネルポア阻害剤に対する感受性の検証:候補アミノ酸の変異体に対するチャネルポア阻害剤の効果が野生体と異なるか検証した。その結果、BmOr-1 E356の点変異体は阻害剤に対して野生体と異なる感受性を示すことが分かった。このことからこのアミノ酸はポアのアミノ酸である可能性が高いと考えられる。以上、BmOr-1、BmOr-2の両方からポアを形成する有力なアミノ酸部位を1つずつ見出すことができた。この結果は複合体のポア構造がBmOr-1,BmOr-2の両方のサブユニットにより形成されることを示唆している点で重要である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)