現代の在日朝鮮人当事者運動の実証的研究―アイデンティティ論の再構成へ―
Project/Area Number |
09J05737
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片田 晶 (孫 晶) 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2011: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2010: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
|
Keywords | 在日朝鮮人 / アイデンティティ / 青年 / 就職差別 / 就職活動 / コリアン・ディアポラ / 社会運動 / 韓国/朝鮮 / エスニシティ / マイノリティ / 差別 |
Research Abstract |
国内での調査のひとつは、最近就職活動を行った在日青年への就活経験と個人史を詳細に聞き取り、前年までとあわせ計約20事例となった。その経験は多様だが、親世代の社会経済的階層や資源の格差が見られ、特に零細自営業を営み被差別経験の深い親の家庭では、主観的客観的位相の両者で就活において在日性が深い問題となっていた。その特筆すべき背景として、「コミュニケーション力」を問う現在の就職活動が学生に自分語りを求めるため、在日青年は皮肉にも就活という機会にこれまでにない程度で在日としての自己提示という困難な挑戦へ駆り立てられてしまう。このように在日性が主題化される就活経験とそこでの当事者による在日性の再定義を捉えるには、従来「差別」や「民族的アイデンティティ」の規範的な定義によってきた枠組みを再考する必要があり、それはまた現在社会での在日アイデンティティの再考にもつながっている。また、他に民族名を「名乗る」ことをアイデンティティの中核に置き、「名乗れない」ことを在日青年の葛藤として捉えてきた従来的言説から距離をとり、日本名(通称名)を使用しつつ積極的に自らの在日性を再定義する実践を対象に、若者2名に詳細な聞き取りを行い、民間の研究会で発表し、従来の名前論の実践を一概に否定せず、なお具体的な当事者の経験から批判的に問い直すべき点を論じた。次に、韓国で行った調査では、在日との連帯を行う韓国の運動と韓国内のコリアン・ディアスポラの経験に注目し、活動家2名と個人4名に聞き取りを行い、「韓国人」に対する「在日」アイデンティティの差異化の実例を収集、現在考察中である。また、11月に発表、その後加筆した英語論文では1990年代以降の「韓国」(日本にとって有用、消費可能なもの)の許容と・「朝鮮」(不要なもの、他者)の排除という、概念の分裂状況に介入しつつ新たな在日性を再定義する言説実践の歴史的位置とその流用例を論じた。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)