生態系発達の初期過程における生産者・基質・分解者の関係性とその変化
Project/Area Number |
09J05853
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉竹 晋平 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 荒原生態系 / 一次遷移 / 土壌微生物 / 火山荒原 / 基質制限 / PLFA / バイオマス / 群集構造 / 寒地荒原 / DGGE / 炭素源資化性 / 添加実験 / Biolog |
Research Abstract |
昨年度までに火山荒原(富士山)の一次遷移初期および後期から採取した土壌を用いて基質添加実験を行ってきた。この基質添加実験では3種の炭素源(グルコース・セルロース・リグニン)と窒素源およびリン源を用いている。本年度はこの実験によって得られている土壌サンプルに対して、リン脂質脂肪酸分析を行って基質添加後の微生物バイオマスおよび群集構造の変化について調べた。 その結果、一次遷移初期の土壌においては、炭素源・窒素源・リン源のいずれも単独の添加では変化は見られなかったが、炭素源を窒素源またはリン源と同時に添加することによって微生物バイオマスの増加および群集構造の変化が認められた。一方、遷移後期の土壌においては、易分解性炭素源であるグルコースについてのみ、炭素源の単独添加によっても微生物バイオマスが増加した。また、遷移初期土壌と同様に、炭素源を窒素源およびリン源と組み合わせて添加することにで、より大きなバイオマス増加や群集構造変化が起こることが示された。今回の添加実験で使用した遷移初期および後期のいずれの土壌に関しても、炭素源・窒素源・リン源を全て添加した際のバイオマス増加量は使用した炭素源の種類によって大きく異なっており、土壌微生物に対する基質制限には基質の「量」に加えて基質の「質」の違いが大きく影響することが明らかとなった。 これまでに得られている火山荒原以外の荒原生態系の結果を合わせて考察すると、生態系発達の初期過程においては炭素源・窒素源・リン源がいずれも不足しており、このことが、遷移後期に比べて遷移初期において微生物バイオマスが少なく群集構造が異なっている一因であると考えられた。一方、遷移後期においては主に易分解性炭素源の不足によって微生物の増殖などが抑制されている可能性が示された。同時に、遷移後期では窒素源やリン源の不足は二次的な制限要因であることが示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(20 results)