Project/Area Number |
09J05894
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮田 裕光 慶應義塾大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | プランニング / 比較認知発達 / 巡回セールスマン課題 / 速読 / 文章理解 / 近赤外線分光法 / アイカメラ / 同時計測 / 迷路 / 近赤外線分光法(NIRS) / 前頭前野 / 反応抑制 / 血流変化 / 巡回セールスマン問題 / 経路方略 / 発達 |
Research Abstract |
ヒトの高次な思考や意識の起源に行動的、神経科学的観点からアプローチするために、以下の実験研究を行った。第1に、ヒト3,4,5歳児および成人を対象に、タッチモニター上で2-3個の目標を順に回る巡回セールスマン課題を課し、経路選択方略を検討した。その結果、成人は最適経路をほぼすべての試行で選択したのに対し、幼児の経路選択方略には刺激配列ごとの特徴がみられた。すなわち、2個の目標が提示された課題では、近い方の目標に最初に到達する割合が年齢とともに高くなった。一方、3個の目標がダイヤモンド形に提示された課題では、効率的な課題解決よりも、課題遂行そのものに興じる傾向が示唆された。第2に、速読技能の熟達者を対象として、読書中の文章理解、眼球運動および脳活動を検討する実験研究を実施した。コンピュータ画面上で現代語短編小説を読ませ、内容質問に解答させる理解度テストを行った。その結果、一部の高度熟達者では、高速で非速読者に匹敵する理解成績を示す事例がえられた。またアイカメラによる計測から、速読熟達者はほぼ水平に視線を移動させていたことが示唆された。これについて、視線等の詳細な解析を加え、成果が国際誌PLoS ONEに印刷中となっている。また、非訓練者および速読訓練を対象に、読書中の後頭-頭頂葉の脳活動と眼球運動を、近赤外線分光法とアイカメラの同時計測によって検討した。非訓練者の結果から、高速での読書中に後頭-右下頭頂小葉に活動がみられ、視空間的処理が示唆された。また、読みが遅く戻り読みの多い読者ほど、ブロック初期における中後頭回の活動が大きいことも示唆され、同時計測の有効性も示された。速読訓練者でのデータの解析も継続している。総合して、複数の観点による研究から、ヒトが持つ認知的意識の心理学的、神経科学的基盤に関する新知見を得たといえ、今後の神経可塑性等をテーマとした研究の基盤をも形成したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従来からのプランニングに関する研究では、ヒトと動物との比較に発達の視点を入れた研究を展開し、着実な知見の集積を継続することができた。加えて速読に関する研究では、熟達者が特有の眼球運動を用いて小説を理解して読む事例を得た。また、速読ないし一般の読書における脳活動と眼球運動を同時に計測する方法の有効性を示した。速読はこれまで科学的研究がほとんどなされてこなかったテーマであるため、これらの知見は意識研究の新たな地平を切り拓く重要なものであると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度までの成果のうち、未公刊の分については、データ解析を継続するとともに国際学術誌等に公表する作業が必要だと考えらえる。また速読研究の発展として、瞑想などのメンタル・トレーニングがもたらす認知神経活動の可塑性を実証する研究が今後重要になると考えられる。具体的には、平成24年度より、(独)科学技術振興機構ERATO 岡ノ谷情動情報プロジェクト研究員として、ヨガなどの熟達者を対象とした生理心理計測および行動実験を計画している。
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Report
(3 results)
Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Reading speed, comprehension and eye movements while reading Japanese novels : evidence from untrained readers and cases of speed-reading trainees2012
Author(s)
Miyata, H., Minagawa-Kawai, Y., Watanabe, S., Sasaki, T., Ueda, K.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: (掲載確定)
Issue: 5
Pages: e36091-e36091
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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