Ataxia-telangiectasiaファミリーによるミトコンドリアDNAの維持機構
Project/Area Number |
09J06064
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 ちひろ 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ATR / ATL-1 / ミトコンドリア / 酸化ストレス / オートファジー / 非アポトーシス性細胞死 / 細胞質の空胞化 / Ataxia telangiectasia / 活性酸素 / ミトコンドリアDNA / 細胞内局在 |
Research Abstract |
1.atl-1欠損による酸化ストレス 線虫C.elegansにおいて、atl-1欠損変異体では、酸化ストレスが上昇していることを明らかにした。さらに、試薬処理により酸化ストレスを与えるとミトコンドリアDNAのコピー数が減少したことから、atl-1欠損によるミトコンドリアDNAの低下は、酸化ストレスにより引き起こされている可能性が示唆された。加えて、atl-1欠損変異体では、寿命の延長が見られた。線虫においては軽度の酸化ストレスは寿命の延長をもたらすことから、atl-1欠損変異体では軽度な酸化ストレスが生じていることが示唆された。 2.ATRの過剰発現により引き起こされる細胞質の空胞化と非アポトーシス性細胞死 ATRをヒト培養細胞(U20S, HeLa, HCT116細胞)に過剰発現させると、細胞質の著しい空胞化を引き起こすことを発見した。また、空胞化細胞の減少に伴い死細胞が増加したことから、ATRの過剰発現は、まず初めに細胞質の空胞化を生じ、その後、細胞死を引き起こすと考えられた。更に、この細胞死はp53非依存的であったことから、非アポトーシス性の細胞死(2型細胞死)であると考えられた。2型細胞死は、オートファジックな変性により生じるため、オートファジーのマーカーとして、LC3-IからLC3-IIへの変換を解析した結果、ATRの過剰発現はLC3-IIへの変換を促進した。加えて、原がん遺伝子Rasの阻害は、ATRの過剰発現による細胞質の空胞化、および、細胞死を抑制した。最後に、欠損変異体の解析から、ATRのHEAT repeats domainが空胞化には重要であることを見出した。以上の結果から、ATRの過剰発現は、そのHEAT repeats domainがRasの活性化に関与し、その結果、細胞質の空胞化、および、非アポトーシス性である2型細胞死を引き起こすことを解明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)