Project/Area Number |
09J06082
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials/Devices
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 高志 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / 磁性 / 結晶成長 / 酸化物 / 異常ホール効果 |
Research Abstract |
本研究では、半導体(ナノ結晶など)へのスピン注入や電子濃度の変調によるEuOの磁性の制御を目的としている。昨年度、我々はEuOにおいて異常ホール効果を初めて観測した。本年度は、EuOの異常ホール効果の詳細な評価と光照射による磁性の制御を試みた。パルスレーザー堆積法で作製したEuO薄膜を、フォトリソグラフィー法を用いて微細加工し電気測定を行った。観測したEuOの異常ホール導電率の大きさは他のEu化合物と同程度で、3d遷移金属酸化物に比べて大きな値を示した。Euイオンは3d遷移金属より重く、より強いスピン軌道相互作用をもつ。そのため、Euイオンと伝導電子に強い相互作用が働き、異常ホール導電率が大きくなったと考えられる。また、EuOの異常ホール抵抗率の符号が温度や磁場によって反転することを見出した。異常ホール抵抗率の符号や大きさはバンド構造やフェルミ面近傍の電子状態によって決まることが知られており、観察された符号反転はEuOの伝導帯のエネルギーが温度や磁場によって大きく変化するために起きると考えられる。さらに、磁化が変化する磁場において異常ホール抵抗率の顕著な増大が観察された。この増大はEuOの磁気抵抗効果や磁壁散乱の効果からは説明できず、なんらかの新しい磁気輸送効果によって起きている可能性がある。次に、光照射によるEuOへのキャリア注入を試みた。光照射による抵抗率の温度依存性を測定した結果、5~300Kにおいて抵抗率が減少することを見出した。また、ホール測定によりキャリア濃度を評価し、光照射により電子濃度が4×10^<18>cm^<-3>増加することを観測した。EuOは低キャリア濃度で強磁性転移温度の変化を起こすことが知られており、本成果はEuOが光誘起による磁気物性制御の対象として有用であることを強く示唆するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)