糖質加水分解酵素における多糖分岐構造の多様な認識メカニズム
Project/Area Number |
09J06099
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
木質科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 卓也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 分岐多糖 / 糖質加水分解酵素 / キシログルカン / キシログルカナーゼ / βグルカン / β-1,3グルカナーゼ / 分子認識 / 結晶構造 / キシロクルカン / β-1,3-グルカナーゼ / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
本研究では、分岐構造を含む多糖であるβ-1,3/1,6グルカン、キシログルカンをそれぞれ基質とするβ-1,3グルカナーゼ、キシログルカナーゼを研究対象とし、その基質特異性、分解特性を詳細に分析することを目的とした。 昨年度までに、GHファミリー55に属するβ-1,3/1,6グルカナーゼ、GHファミリー74に属するキシログルカナーゼの機能解析、X線結晶構造解析をおこなってきた。 本年度は、特別研究員海外派遣事業の一環として、スウェーデン農業科学大学への半年間の研究派遣を行い、GHファミリー16に属するβ-1,3/1,6グルカナーゼLam16Aの変異体酵素を用いたX線結晶構造解析を主に行った。 β-1,3結合のみを含むラミナリペンタオースおよび、β-1,3結合とβ-1,6結合を含むリガンドP4との複合体構造においては、サブサイト-1と+1を占めるグルコース残基間のグリコシド結合がβ-1,3結合であるのに対し、β-1,3結合とβ-1,4結合を含むリガンドであるP3との複合体では同じ部位の結合がβ-1,4結合であった。また、サブサイト+1に結合したグルコース残基はサブサイト-1/+1間の結合がβ-1,3結合とβ-1,4結合の場合とではグルコースの六員環の向き(裏表)が異なることがわかった。本酵素はサブサイト-2/-1間において!-1,3結合したグルコース残基のみを厳密に認識する事が知られていることから、活性中心に異なるタイプのグリコシド結合を受け入れられることは本酵素の加水分解特性に大きく影響していると考えられる。また、異なるグリコシド結合を活性中心に受け入れた構造の例は、基質の末端特異的に働く糖質加水分解酵では複数知られているが、多糖に対してランダムに加水分解を行なうエンド型の糖質加水分解酵素においては、Lam16Aが初めての例となる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)