Project/Area Number |
09J06269
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology of education
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武 小燕 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2009 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 愛国主義教育 / 近代化 / 改革開放 / 徳育 / カリキュラム / 政治教育 / 歴史教育 / 中国 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度得られた研究成果に歴史的考察を加えて学位論文を完成させた。すなわち、改革開放後の中国で行われている愛国主義教育は西洋化志向と民族化志向という二つの相反する性格を持っているが、それは根本的に近代中国とりわけ五四運動以降の知識人たちの言説と実践に、そのルーツを求めることができる。様々な言説と実践のなかで、特にその中軸をなしてきた近代化に対する自由主義的な理解、社会主義的な理解および伝統文化の中に近代性を見出す主張という3つの立場が、今日愛国に対する多様な理解をもたらしている。これらの見解ならびに政策・カリキュラム・学校教育の教科外活動に対する詳細な考察・調査を学位論文の「改革開放後中国の愛国主義教育-社会の近代化と徳育の機能をめぐって-」にまとめ、教育学の博士号を取得することができた。 そのほか本年度は、学会発表などを通して研究成果を社会に発信するように努めた。日本国内では、2010年9月に日本国際教育学会第21回大会で、学校教育における教科外活動と生徒を対象とするアンケート調査の結果を中心に、中国の愛国主義教育の現状について報告した。国際社会に対しては、受入研究者の近藤孝弘教授とともに日本と中国の愛国主義教育に関する比較研究の共著論文を国際学会誌のJournal of Social Science Educationに発表した。これは、同誌で掲載された初のアジアの研究者による論文となった。 なお、中国の愛国主義教育のほか、日本の教育についても考察を行った。特に2000年代に進められた教育基本法の改正をはじめとする教育改革について、「第三の教育改革」と新自由主義の台頭という背景を踏まえて改革の動向を検討した。研究内容は、日中教育研究協会の成立大会で発表し、また投稿論文という形にまとめることができた。
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